#587 カエル

 今日は5月の第2日曜日、「母の日」です。子供のいる多くの家庭ではお母さんに花束やプレゼントを渡したり、「肩叩き券」や「お手伝い券」を渡したり、お母さんに代わって食事を作ってあげたりして「母の日」を祝っていることでしょう。今日は日頃のお母さんの家族への献身に対して感謝する日です。
 話は変わりますが、夜遅く帰宅する途中でカエルの合唱が聞こえました。この辺りは住宅地なので田んぼはありません。それなのにカエルが鳴いています。おそらく気候が暖かくなり、冬眠から目覚めたカエルたちが側溝に住んでおり、先日の雨に誘われて鳴き出したのでしょう。これからは雨が降るたびにカエルの合唱を聞くことができます。
 ところで、カエルにもいろんなカエルがいて、登山するカエルがいるそうです。「宝満山カエル」と呼ばれています。西日本新聞では宝満山カエルの特集をしていましたので、この記事を転載します。(有料会員限定記事です)
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『山頂目指す「宝満山カエル」に異変 姿が見えなかった昨年の謎に迫る』
 標高800メートルを超える宝満山(福岡県筑紫野市、太宰府市)には、山頂を目指して登る子ガエルたちがいる。初夏の登山道での風物詩となっているが、保存活動に取り組む「宝満山ヒキガエルを守る会」によると、昨年は山の中腹以上で姿を確認できなかったという。太宰府市民遺産にも認定されたカエルたちに何があったのか。その謎に迫った。

<4合目以上未確認>
 「クックックッ…」。前日から降り続けた雨が上がった2月中旬、林道の側溝から鳴き声が聞こえてきた。「かわいかでしょうが」と目を細める「守る会」メンバーの渡辺利久男さん。山の斜面を下り、麓の池へ向かうヒキガエルたちだ。中には、雄をおんぶしながら進む雌の姿も。数十匹はいただろうか。
 宝満山のヒキガエルは1~2月ごろ、池で産卵。そこで生まれた数万匹の子ガエルは5~7月ごろ、1カ月以上かけて山を登る。理由は謎だ。だが、子ガエルが毎年山頂で確認されているわけではない。観察が始まった2016年以降、登頂未確認は19、22年に続き、昨年が3回目となる。
 気になるのは、最後に確認された場所だ。観察を続ける佐賀大名誉教授の田中明さんは「過去2回は7合目まで登っているのが確認できたが、24年は4合目以上では見つけられなかった。こんな年は初めて」と話す。

<天候も一要因に?>
 太宰府市では昨年、35度以上が40日間続き、連続猛暑日の国内最長記録を更新した。「これまでにない天候がカエルの登頂に影響した可能性もある」と田中さんは指摘する。
 今までの目撃情報から、池から上がった子ガエルは晴天ではあまり動かず、雨と曇りの日に動く習性があるという。昨年、子ガエル上陸後から21日間の天候を見ると、登山に適した雨か曇りの日は6日間だけ。これまで観測してきた9年間で最も少なかったことが、短い移動距離につながった可能性がある。
 「カエル全体の数が減ったのではないか」と危惧する守る会のメンバーもいる。産卵池では昨年、オタマジャクシがいる頃に補修工事が行われ、水位が例年より大きく下がった。さらに、池に戻る親ガエルを夜間に捕獲する人間も確認している。

<環境整備で力添え>
 カエルが車にひかれないように、守る会のメンバー7人は林道に反射材入りの看板を立て、ドライバーに注意を呼びかけている。カエルが落ちてしまう側溝には登りやすいように傾斜を作るなど、地道な活動を続けている。
 今年は産卵池の水位も例年並み。昨夏には大手インターネットオークションサイトで両生類の出品が禁止されたため、転売目的の捕獲も減ったとみられ、今年になって捕獲者の目撃情報はない。
 後は天候次第だが、福岡管区気象台の3カ月予報で今年の5~7月の平均気温は「高い」、降水量は「ほぼ平年並み」の見込み。守る会の末永邦夫会長は「今のところ、成育状況は順調のようだ。あとは天候次第だが、今年は山頂で登る姿が見られるといいですね。カエルたちを優しく見守ってもらえれば」と話している。
https://www.nishinippon.co.jp/item/1349432/
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 都会ではあまり見かけないカエルですが、郊外や田舎に行けば雨の日にはカエルの合唱が聞こえてきます。また住宅地では数が少なくなりましたがアマガエルが雨の日に鳴きます。ケロケロと可愛い声で鳴きます。ただカエルの中にはケロケロと鳴かないで、「根性・根性・ド根性」と鳴くカエルもいます。マンガの「ド根性カエル」です(笑)。
 幼い頃、田んぼに囲まれた自宅の側溝にたくさんのカエルがいて、カエルと一緒に遊んでいたことを思い出します。夜はカエルの合唱が子守歌代わりに聞こえて、その歌声を聞きながら眠りについたことを覚えています。今は自宅の周りに住宅が立ち並んでいますので、夜カエルの歌を聴くことはできませんが、カエルの愛嬌のある顔が今でも浮かんできます。カエルが絶滅危惧種にならないように環境整備をしなければなりません。

2025年05月11日