#514 すべては1匹のネズミから

 今日は12月24日クリスマスイブです。日曜日なので家族で街に出かけ、様々なプレゼントを買ったり、外食を楽しむ人が多いと思います。しかし、百年前の貧しい漫画家の前には1匹のネズミしかいませんでした。その貧しい漫画家とはディズニーランドを作ったウォルト・ディズニーです。彼に関する記事を産経新聞より転載します。
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『「すべては1匹のネズミから」
           … ディズニー100周年 手塚治虫の「心の師」にも』
 1923年の創立以来、世界のアニメ業界をリードしてきた米ウォルト・ディズニー社が今年、100周年の節目を迎えた。ウォルト・ディズニー(1901~66年)が設立した小さなアニメスタジオはこの100年で、多様なエンタメを担う世界的企業に成長。心を揺さぶられる物語やかわいらしいキャラクター、個性豊かなプリンセスの魅力で、世界中の人々に魔法をかけてきた。

<映像表現を開拓>
「すべては1匹のネズミから始まった」。創業者ウォルト・ディズニーの言葉であり、言うまでもなくミッキーマウスのことだ。
 ミッキーのスクリーンデビュー作「蒸気船ウィリー」の公開は28年。音と映像がシンクロした初の短編アニメで、大きな評判を呼んだ。37年には世界初の長編カラーアニメ映画「白雪姫」が公開され、空前の大ヒットを記録。40年の「ファンタジア」では映画史上初めてステレオサウンドを使うなど、映像表現の新たな地平を開拓してきた。
 アニメーション研究家の氷川竜介氏は「商業アニメの歴史はディズニー抜きで語れない」と指摘。「質の高いアニメ作りやキャラクタービジネスの手法など、今では当たり前の多くのことを先駆けて実施し、定着させた。戦後の日本のエンタメ産業にとって避けては通れない存在であり、作品やビジネスにも多大な影響を及ぼした」と評価する。

<手塚治虫の「師」>
 現在、世界的人気を誇る日本の漫画とアニメの両面で偉大な足跡を残したのが手塚治虫だ。その手塚も幼い頃から同社の作品に親しみ、ウォルト・ディズニーを「心の師」と仰いだ。
「ぼくは瞬間、胸がときめき、足が震えた。ただひたすら、ファンとして、ぼくの生涯の偶像としてディズニーに憧れていた。そのかれが、ぼくの真正面でしゃべっているのだ」
64年、サンケイ新聞の特派画家として米ニューヨーク世界博を取材し、その際短く会話もした手塚。自伝『ぼくはマンガ家』で、生涯唯一となった対面を興奮交じりに振り返っている。
 手塚プロダクションの松谷孝征社長は「(手塚は)さまざまな国のアニメや文化から多くを学んできた。本人は『バンビ』を80回以上、『白雪姫』は50回以上見たと書き残している。当然、作品づくりに影響を及ぼしたのでは」と語る。
 日本のディズニー人気を支えてきたのが講談社だ。両社の関係は深く、戦後すぐに講談社がディズニー漫画の出版権を取得。話題作の日本公開に合わせ絵本や雑誌を刊行し、相乗効果を生み出した。「講談社のディズニー絵本」(「ディズニーゴールド絵本」として刊行中)シリーズは累計700万部超を記録。「アナと雪の女王」だけでも絵本など80冊以上を刊行した。

<輝くプリンセス>
 ディズニー作品の魅力の一つが、逆境を乗り越え未来を自分自身の手で切り開くプリンセスたちの姿だ。「リトル・マーメイド」のアリエルなど人気ヒロインを描いてきた伝説的アニメーター、マーク・ヘン氏は、ディズニー作品の人気の理由を「実在しているかのような(プリンセスたちの)個性にある」と語る。
 「観客の皆さんは彼女たちに共感し、涙を流し、一緒に旅をする。それぞれの個性を深く理解して描くことが、作品を不朽にする」
 12月15日には100年の歴史の集大成として、最新映画「ウィッシュ」が全国公開。講談社も同社の出版物をベースにしたクイズに挑戦できる公式オンラインイベント「ディズニーファン・チャレンジ」を、来年1月15日まで実施する。
 ディズニーの次の100年はどうなるのか―。ヘン氏はこう期待を寄せる。「テクノロジーはあくまで作り手が伝えたい物語をサポートするもの。魅力的な物語やキャラクターが生まれ続けること、ディズニーの伝統を受け継ぐ高品質な作品の登場を願っている」
https://www.sankei.com/article/20231128-H3JSAOTAEJICJEUG36HWTEXPWY/
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 幼い頃、たしか「ディズニーランド」という番組が金曜日夜8時から1時間放送されていたのを思い出します。その番組中でミッキーマウスやドナルドダックなどのアニメが放送されたり、ドキュメンタリー番組が放送されていたことを覚えています。ウォルト・ディズニーに関しては彼の業績や言動に関して賛否両論がありますが、子どもに夢を与えたことに関しては偉大な人物だと言えるでしょう。いつまでも夢を与え続けるようなディズニーであってほしいものです。 Merry Christmas to You!

2023年12月24日