#563 SNS禁止!
今日は11月最後の日曜日です。月日の経つのは早いもので、あとひと月余りで今年も終わります。季節はいつの間にか冬へ向かっています。深夜自宅に帰る途中で夜空を見上げますと、澄み渡った空に冬の大三角形が東の空に輝いています。星座も季節ごとの衣替えです。今年の冬は平年並みという予報が出ていますので、寒い冬になりそうです。
さて世の中はコミュニケーションの手段としてSNSが世界中で流行っています。確かに電話や手紙と比べてはるかに便利で、同時に画像や映像も送れますので、飛躍的に便利な通信手段となっています。しかし、その一方で様々な害をもたらしているのは厳然たる事実です。特に他人へのいじめや誹謗中傷、犯罪に利用されており、SNSは「諸刃の剣」となっています。これは日本だけでなく、世界中で行われています。
このような時勢でしょうか、オーストラリアではSNSを禁止する法律が登場しました。読売新聞は次のように報じています。
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『オーストラリアで「16歳未満」のSNS禁止法が成立へ…違反の企業には最高50億円の罰金』
オーストラリア政府は21日、子供のSNS利用を禁止する法案を議会に提出した。議論を重ねてきた適用年齢については「16歳未満」と定めた。保護者の同意があっても利用は禁じられる。適切な対策を講じないSNSの運営企業に罰金を科すことも盛り込んだ。
アンソニー・アルバニージー豪首相は21日の声明で、「これは画期的な改革だ。抜け道を見つける子供もいるだろうが、我々は運営企業に自らの行動を正すようメッセージを送っている」と述べた。
法案ではSNSの運営企業に対し、16歳未満の子供による接続を防ぐための「合理的な措置」を求め、違反した場合は最高で4950万豪ドル(約50億円)の罰金を科す。保護者や子供への罰則は設けない。
X(旧ツイッター)やTikTok(ティックトック)、インスタグラムなどが禁止対象に含まれる見通しだが、教育的な要素があるとしてユーチューブの利用は認められる。
SNSの規制強化を巡っては、最大野党の自由党も賛成している。法案は可決される公算が大きく、可決されれば1年の猶予期間を経て施行される。
豪州ではSNSがいじめや性犯罪の原因になっているとして、保護者らが利用制限を求める運動を展開した。世論調査会社などが8月に実施した調査では、回答した約1500人の約6割が若者のSNS利用を禁止することに賛成した。一方で、専門家からは年齢制限の実効性を疑問視する意見が出ている。
(https://www.yomiuri.co.jp/world/20241121-OYT1T50178/)
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上記の記事にあるように、SNSを使った若者の犯罪が増えていますが、これは若者だけの問題ではありません。SNSの問題点は「匿名」で利用できることです。自分の本名を出さなければ人間は悪いことをする傾向があります。年齢を問わず、嫌な相手に対して様々な嫌がらせや悪態をつくことが可能であり、SNSはいじめの有効な手段となります。また昨今国内で流行っている新しい犯罪形態「トクリュウ」の有効な連絡手段となっています。
このような嫌がらせ・いじめ・犯罪を防止するためにSNSを利用する際の新しい基準や法律を制定する必要があると思われます。
その最大の問題点は「匿名」です。これを防ぐためにSNSの利用者は本名を名乗るような制度を考えるできでしょう。そうすれば犯罪を低減することができるはずです。ただ本名を告げることで、新たな犯罪や事件が発生することもあります。これは微妙な問題です。
ただし、インターネットの発達により、様々な犯罪が発生している根源は、やはりネットの「匿名性」があります。人間には「性善説」もありますが、人間は罪を犯しやすい。特に自分が明らかにならない(本名を名乗らない)限りは悪いことをしがちです。これは古より「人間は生まれつき善人か、悪人か」を考える際に、洋の東西を問わず全人類の課題となっています。
注:トクリュウ
匿名・流動型犯罪グループ(とくめい・りゅうどうがたはんざいグループ)は、2023年7月に警察庁がSNSを通じて募集する闇バイトなど緩やかな結びつきで離合集散を繰り返す集団と定義した組織犯罪の類型。略称は匿流(とくりゅう、トクリュウ)(ウィキペディアより)