#98 F1で人類滅亡?(その2)

 前回のブログでF1種の危険について述べましたが、品種改良という点から考慮すればF1すべてが悪というわけではありません。品種改良により害虫に強い品種や、寒冷地に適した品種を作ることができます。実際今の豊かな野菜等が市場に出回るのも様々な品種改良の努力のおかげです。
 ただ私たちが常に注視しなければならないことは、遺伝子組み換え食品にしろ、F1種にしろ、果たして将来的に人類に悪影響を与えないかということです。換言すれば人類滅亡につながらないかということに尽きます。このF1種で問題になっているのは「除雄」または「雄性不稔」という操作です。「雄性不稔とは、植物の葯(やく)や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完全になることをいう。動物に当てはめれば、男性原因の不妊症だ。」(野口勲著『タネが危ない』より引用)
 自然界では欠陥のある種は自然淘汰されていきますが、人間が作った食料(品種改良)に関しては例外となります。食物連鎖という立場で考えると、除雄されて作られたものを毎日食べていると、どのような結果が生じるかは誰にも分かりません。ミツバチの消滅現象(蜂群崩壊症候群)や人間の精子の減少など自然界で今生じている現象を考慮すると、F1種の影響があるかもしれません。F1種に関する科学者の検証が待たれます。核で人類が滅亡しなくても、F1種などの品種改良を食することによる人類の静かな死が訪れるかもしれません。興味がある方は次の本の一読をお勧めします。 
 野口勲著「タネが危ない」日本経済新聞出版社

2017年03月30日