#126 どんな人生にも意味がある

 今日部屋の書棚を何気なく見ていましたら5年ほど前にNHKのEテレで放送されていた「100de名著 フランクル夜と霧」のテキストが出てきました。フランクルは第2次世界大戦中にドイツナチスによりアウシュビッツ強制に収容されて生き残った方ですが、のちに「夜と霧」という名著を残しています。ページをめくると、素晴らしい言葉で溢れています。本日のブログはこのテキストより引用したいと思います。(NHKテレビテキスト 100de名著 32~33ページ)

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どんな人生にも意味がある 「何か」があなたを待っている
 生涯、精神科医として迷える人、苦しむ人の心と向かい続けたフランクル。その独特なアプローチは「ロゴセラピー」として体系化されています。
 ロゴセラピーとは、「ロゴス(意味)によるセラピー(癒し)」という意味です。ロゴセラピーでは、人がみずからの生きる意味を見出し、人生を紡ぎあげているのを援助していくのです。
 フランクルの思想の ― したがってロゴセラピーの考えの ― エッセンスは、次のように言えます。
  どんな時も、人生には、意味がある。
  なすべきこと、満たすべき意味が与えられている。
  この人生のどこかに、あなたを必要とする「何かがある。」
  あなたを必要とする「誰か」がいる。
  そしてその「何か」や「誰か」は、あなたに発見され実現されるのを「待って」いる。
  「何か」があなたを待っている。
  「誰か」があなたを待っている。
 私たちは、常にこの「何か」「誰か」によって必要とされ「待たれている」存在なのだ。だからたとえ今がどんなに苦しくても、あなたはすべてを投げ出す必要はない
 あなたがすべてを投げ出しさえしなければ、いつの日か、人生に「イエス」ということのできる日が必ずやってくるから。
 いや、たとえあなたが人生に「イエス」と言えなくても、人生のほうからあなたに「イエス」と光を差し込んでくる日が、いつか、必ずやってくるから。
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 確かに至言です。人は「誰か」のために、「何か」のために頑張ろうという意識があってこそ、やる気が出てきます。日々の暮らしの中で、他者のために生きる気持ちがあれば自分の人生に意味を持つことができます。たとえ他人から見て不遇の人生であろうと、その人にとって生きがいのある人生と言えるのではないでしょうか。
 

2017年08月13日