#276 師走の都大路

 今年も残すところ10日となりました。今日は朝から雨が降り続いており、寒い年の瀬となっています。また今日は冬至で、昼間の時間が一年で最も短い日です。
 さて本日、恒例の全国高校駅伝が女子は午前中に、男子は午後に行われました。女子は福岡県代表の筑紫女学園が3位となり、男子は福岡県代表の自由が丘が8位、県代表選考では敗れましたが北九州代表として出場した地元の大牟田高校が18位となり福岡県勢の頑張りが目立ちました。特に大牟田高校は全国優勝5回、準優勝9回、3位2回の実績を持つ高校です。全国優勝を通して斜陽の街を活気づけてきた学校でもあります。
 元々九州は長距離競技が強く、どの県も優勝を狙える実績を持った高校がたくさんあります。多くの強豪が存在する中で、大牟田高校の優勝実績は評価に値するものです。残念ながら最近は優勝から遠ざかっていますが、また古豪の復活を遂げてもらいたいものです。
 年末年始にかけて様々な高校のスポーツが行われます。サッカー、ラグビー、春高バレー、バスケのウィンターカップなど人気のスポーツが行われます。私は中学校の時に軟式テニス部に入っていましたが、練習の厳しさにおいては野球部に比肩するほどでした。今では真夏には適宜水分を補給するなど体調面を気遣いますが、当時の部活動では練習中の給水は禁じられており、練習が終わるとすぐに水道がある場所まで走って、水をごく飲みしたものです。また冬時にはフットワークを鍛えるために動物園のある延命公園まで走って行き、ダッシュや腕立て伏せ、うさぎ跳びと、今では信じられないような鍛錬をしていました。今では懐かしい思い出となっています。
 今日行われた駅伝でも、正選手として全員が出場できるわけではなく、補欠や裏方に回って活動する生徒が多くいます。当然校内での競争に勝ち残らなければ正選手になれないのですが、強豪校になればなるほど厳しい競争が待っています。多くの学校が早朝練習や合宿などで体を鍛え自分の記録を伸ばそうとしますが、誰でも順調に記録が伸びるわけではありません。故障や体調不良などで記録が伸びず、正選手になれずに部活動を引退する生徒の方が圧倒的に多いのです。しかし彼らや彼女たちにとって夢中で練習に打ち込むことができた日々は何物にも代えがたい宝物となっています。苦しい練習に耐えたことが、その後の人生に大きな自信となることでしょう。
 サミュエル・ウルマンの「青春」の詩にあるように、「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を言う。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時初めて老いる。」ということが言えそうです。年齢に関係なく、いつまでも理想を追い続ける人が若者であり、「青春」を謳歌していると言えます。

2019年12月22日