#104 中学教師6割が過労死ライン

 昨日のニュースで冒頭の記事が目に入りましたので、ネット掲載記事の一部をJiji.comから引用します。
-------------

 文部科学省は28日、2016年度の公立小中学校教員の勤務実態調査の速報値を公表した。中学教諭の約6割が週60時間以上勤務しており、過労死の目安とされる水準を超過。前回06年度の調査に比べ、教諭や校長ら全職種で勤務時間が増えた。授業時間が増加したほか、中学では土日の部活動の時間が倍増。同省は「学校が教員の長時間勤務に支えられている状況には限界がある」として、中央教育審議会に改善策の検討を諮問する。(http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042800386&g=soc)

------------

 教師の仕事はやればやるほど際限なく仕事量が増えてきます。確かに勤務時間は8:30-16:30となっていますが、16:30に退勤することはまず不可能です。多くの教師が部活の顧問をしており、特に運動部の顧問は19:00まで部活動をしますので、それからが自分の仕事をすることになります。私もソフトテニス、硬式テニスの顧問を合わせて10年以上担当しましたが、生徒の完全下校が19:00でしたので、その後自分の仕事に取りかかり、仕事が終わり退勤するのはほとんど毎日21:00を過ぎていました。換言すれば毎日5時間ほど残業していたことになります。(ひと月で100時間を超えることになります。)私の場合は毎週日曜日は部活を休みにしていましたので、日曜日は完全に休んでいましたが、(それでもゴールデンウィークや9月の連休など試合前にはほぼ1か月間休みが取れない状況が続きました。)昨今の中学校や高校では日曜日に練習試合や合同練習をしている学校が多いので、顧問の先生は休みを取る時間がありません。顧問が複数いる場合は交代で休みが取れますが、顧問一人の場合はそれが不可能です。
 仕事を真面目にすればするほど、ますます仕事が増えるのが世の常ですが、教師の場合は残業手当はありません。(その代わり教員調整額が設定されていますが、決して残業代ではありません。)確かに16:30に職場を退勤する教員もいましたが、多くは仕事をしない教員でした。
 最近の教師の仕事は教科の仕事だけでなく、生徒指導や進路指導、さらに問題のある生徒や保護者への対応など多岐に渡っています。一昔前の教員は生徒の長期休暇の際には教員も自宅研修等で出勤しなくてもよかった頃がありましたが、今では夏休みなどの長期の休み期間にも出勤して仕事をしています。教職は仕事と割り切ればよいのでしょうが、それではサラリーマン教員(昔で言うデモシカ教員)になっていまします。どうしたら残業を少なくして能率的に仕事ができるか、教師の時間確保が大きな課題となっています。

2017年04月29日