#313 大牟田水没!

 梅雨末期の大雨で日本中で河川の氾濫や山崩れなどの被害が出ています。先週の熊本県南部の水害を始めとする大災害がここ大牟田でもついに発生しました。これまで大牟田は地震などの自然災害が少なく、台風の直撃を受けることも少なく、自然環境に恵まれた街でした。
 しかし今度の水害は今まで体験したことのない大災害となってしまいました。7月6日の午前中より激しい雨が降り始め、明光学園では3時間目で授業が終了し、生徒たちは下校しましたが、昼過ぎより豪雨となり、JRや西鉄電車が運休し、近隣の学校では帰宅できずに学校で待機する事態となったようです。実際2時半頃から豪雨が始まり、ほんの数時間で洪水被害が発生しています。
 特に大牟田市の南部を流れる諏訪川下流の南部(三川・三里地区など)が大規模に浸水し、多くの家屋や車が被災しました。水深2m以上の地区も多く見られ、ニュースで報道された「みなと小学校」では80名以上の児童が帰宅できずに学校で一夜を過ごしました。自衛隊がボートで児童たちを救出したニュースが全国に流れましたので、ご覧になった方もいらっしゃると思います。
 また諏訪川南部だけでなく市内の多くの場所で豪雨による床下・床上浸水が発生し、場所によっては1~2mほどの浸水を記録しています。当塾は高台にありますので被害はありませんでしたが、すぐ前の国道208号線を下ったところにある宅峰中学校近くの右京町交差点は少し雨が降っても浸水します。今回も大規模な冠水が発生し、ニュースでも真っ先に採り上げられました。
 実家の方は幸い浸水被害はありませんでした。しかし宅地を50cmほど盛り土していますが、それでも玄関のところまで水が上がってきました。道を隔てた隣の病院は道路と同じ高さで建築されていますので、玄関から50~60cmほど冠水しており、高価な医療機器が浸水し、医療ができない状態が続いています。
 今回の大水害で反省すべき点は、地震と同じく水害もどこで発生してもおかしくない状況が日本各地で発生しているということです。気象庁は数十年に一度の災害と言っていますが、ここ数年のあいだ大水害は毎年のように発生し、そのたびに多くの貴重な人命が失われています。このような悲劇を繰り返さないように、私たち一人ひとりが災害が起きる前に早めに避難することを心がける必要があります。自分の命は自分で守らなければなりません。
 今回の大水害では大牟田で2人が亡くなられています。そのうちの一人の80歳過ぎの体の不自由な女性は2度電話したにもかかわらず救助が来なかったそうです。その時間帯に400件以上の救助要請があったと聞いています。結局、救助隊員が数時間後に救出に向かいましたが、心肺停止の状態で発見されています。
 このような悲劇を避けるためにも日頃より隣近所に声をかけ合うような人間関係を築く必要があります。梅雨はまだ終わっていません。今年は梅雨末期の状況が長く続く傾向があります。いつ何時また災害が発生するとも限りません。梅雨が明けるまで充分な警戒を取る必要があります。

2020年07月12日