#605 蚊、只今夏バテ中

 日中は35度前後の厳しい残暑がまだ続いていますが、あれほど騒がしかった蝉しぐれもいつの間にか消えてしまい、夜には秋の虫たちが美しい鳴き声を奏でる頃となりました。確かに早朝や深夜は比較的涼しい温度になります。季節は夏の終わりから秋の始まりへと装いを変えようとしています。それでもしばらくはまだ猛暑が続きそうです。体調管理にしばらく注意したいところです。
 この猛暑で困っているのは人間や動物だけではありません。特に夏に発生する「あれ」が今年は姿を見せないのです。「あれ」とは蚊のことです。例年初夏になりますと、夜どこからとなく飛んできて、寝入りざまに耳元で「ブーン、ブーン」といやな羽音を立てて寝入りを妨げます。電気をつけて蚊を追いますが、意外と素早く身を隠し、しかたなく布団に入って寝ようとすると、また飛んできます。このように蚊との鬼ごっこが繰り返されるのが夏の風物詩ですが、今年はこれがないのです。不思議だと思っていましたら、先日次のような新聞記事がありましたので転載します。
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『血を吸う「蚊」9月中旬以降に大発生の可能性 刺されること減った?専門家「今は夏バテ中」』
 記録的暑さとなった今夏。「例年より蚊に刺されることが減った気がする」。西日本新聞「あなたの特命取材班」にそんな声が寄せられた。専門家によると、確かに猛暑や少雨の影響で蚊も「夏バテ」し、数も少なくなっているという。蚊は夏の季語だが、実は近年、秋に活動が活発化している。これから気温が下がって雨が多くなれば、一気に増える可能性がある。感染症を媒介する恐れもあり、専門家は「秋こそ虫よけ対策を」と注意喚起する。
 日本には100種以上の蚊が生息しているが、人間の血を吸う主な蚊がヒトスジシマカだ。産卵に必要な栄養を確保するためにメスだけが吸血する。草むらを好み、日中の屋外で吸血することが多い。
 「夏の風物詩だった蚊も『夏バテ』しています」と話すのは、害虫防除技術研究所(千葉県)の白井良和代表。ヒトスジシマカは暑さに強く、気温25~30度で動きが活発になる性質があり、7~8月が発生のピークとされていた。だが、それは10年ほど前の話。猛暑続きの近年は傾向が変わったという。気温が35度以上になると動きが鈍くなり、吸血の意欲も低下してしまうからだ。
 さらに雨が少ないと、産卵場所となる水たまりがすぐに蒸発するため、ふ化や成長ができず、数が少なくなるそうだ。
 一方で、ヒトスジシマカの卵は乾燥に強いのが特徴。産卵から約1カ月たっても、水に入れたらふ化する。今週半ばから全国的に曇りや雨が予想されており、猛暑を生き延びた卵が一斉にかえる可能性もある。「9月中旬~下旬に蚊が大量発生する可能性もあります」と白井代表は語る。
 要注意なのは、この蚊は吸血する際、デング熱など感染症を媒介する恐れがあること。2014年には蚊が媒介するデング熱が70年ぶりに国内で流行した。新型コロナ禍が落ち着いて海外との往来が増える中、無症状でも感染症にかかっている人の血を吸った蚊がウイルスを保有し、別の人に媒介することはあり得る。
 特に体温の高い子どもや妊婦は蚊に刺されやすい。長袖など蚊に刺されにくい服装や虫よけスプレーの使用が予防には効果的だ。白井代表は「まず刺されないことが大事。秋も油断せずしっかり対策を」と呼びかけている。
https://www.nishinippon.co.jp/item/1394928/
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 夏バテは人間や動物だけのものではなく、蚊も猛暑の中では夏バテするのですね。ところで、あのGも今年はあまり姿を見せません。Gすなわち「ゴ」で始まるいやな昆虫です。(名前を書くのもおこがましいやつです)。確かに今年はあまり姿を見せません。Gも夏バテしているのでしょうか。
 上記の記事にありますように、少し涼しくなってから蚊が活動し始めるかもしれません。刺されないように要注意です。

2025年09月07日