#414 鏡開きとお年玉

 今日は成人の日です。多くの地域で成人式が開催される予定ですが、新コロの急速な感染拡大に伴い、中止や延期をする自治体もあります。オミクロン株は他の株に比べて重篤になりにくいデータがでていますが、これまでにない強い感染力を示しています。そのような状況下で、あくまでも個人の行動自粛が求められます。
 さて明日1月11日は鏡開きとなっています。地方により鏡開きを行う日が異なりますが、多くの地方では11日となっているようです。先日NHKで鏡開きに関する興味深い話をしていました。その内容を簡単にご紹介します
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<鏡開きの意味>
鏡開きの意味は、鏡餅を開いて年神様の恩恵をいただき、力を授かることです。鏡開きでは刃物は使用しません。これは、その昔刃物を使ってお餅を切ることが武士にとっての切腹を連想させたから、神様の依り代であったお持ちに刃物を向けるのは縁起でもないからといった理由が挙げられます。このため鏡開きではお餅を「切る」「割る」とは言わずに、「開く」という表現が使われるようになったと言われています。
 さらに日数が経過し、固くなった鏡餅を食べることで歯固めと言って、丈夫な歯で長生きしようという意味もあります。
<鏡開きのやり方>
鏡開きには年神様の依り代として飾ってあった鏡餅を下げて、木槌や手で開きます。これは昔の武家の慣わしで刃物は切腹を連想させるから、また神様の依り代だった鏡餅に刃物を入れてはいけないからといった理由からです。
 開いた鏡餅はさらに手で食べやすいサイズに分けます。この時、細かくなった欠片も捨てないように気を付けましょう。最後に開いた鏡餅を余さずいただいて、鏡開きは終了です。(https://lovegreen.net/lifestyle-interior/p279712/)
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 上記の記事には載っていませんが、鏡餅の由来は神社の御神体である鏡に由来するそうです。鏡に似せて餅を丸い形にして、年神様を祀ったことから丸い餅を鏡餅というようになったそうです。
 次に「お年玉」ですが、今ではすっかり子供たちにお小遣いをあげる様式に変わってしまいましたが、元来はそうではありませんでした。ウィキペウィアによりますと、次のように説明しています。
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 お年玉の語源は、正月に歳神(年神)を迎えるために供えられた、丸い鏡餅(=歳神(年神)の霊魂が宿った依り代、歳神(年神)の象徴)が、家長によって子供に分け与えられ、その餅が「御歳魂(おとしだま)」と呼ばれたことから、とする説がある。つまり、その年を、1年間を、生きるために必要な、歳神(年神)の霊魂=生命を、子供に分け与えることで、(強い生命力には、魔=災厄を退ける力がある)、子供の無事な成長を願う、宗教的な意味がある。また、これを年のありがたい賜物(たまもの)であるとして「年賜(としだま)」と呼ばれたことから、とする説もある。なお、「トシ」は「稲や稲の実り」を意味する語でもあり、歳神(年神)は豊穣神でもある。
 お年玉の習慣は中世にまでさかのぼり、主として武士は太刀を、町人は扇を、医者は丸薬を贈った。現代のように現金を渡すのが一般的になったのは、昭和30年代(1955年 - )以降だとされている。これは、経済成長とともに農村社会が解体され都市生活者となり、稲(米)や餅を作らなくなった代わりだともされている。
 また、昔は正月に子供に玩具を与えており、お金は玩具の代わり=玩具代だとする説もある。または、この場合、お金が鏡餅と同じ意味・機能を果たしているとも考えられる。例えるなら、稲(餅米)が昨年の収入、鏡餅が家産の集合体、お年玉(=砕いた鏡餅の断片)が家産からの財産分与、ということになる。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E5%B9%B4%E7%8E%89)
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 来年から子供たちには本来の意味のお年玉として丸いお餅を1個渡しましょう。親御さんは経済的に助かりますが、子供たちからの大ブーイングが聞こえてくることでしょう(笑)。
 鏡開きにしても、お年玉にしても本来の意味を知っている人は多くないでしょう。この国に昔からある何気ない日常言葉や行事の中にこの国の文化の奥深さを歴史の重みを感じることができます。

2022年01月10日