#266 令和の時代と自然災害

 10月22日に即位礼正殿の儀が執り行われ、国内外に向けて今上陛下の宣明が発せられました。この儀式のために世界中の多くの賓客が招待され、荘厳かつ厳粛な式典が挙行されました。私もテレビでその一部始終を見ていましたが、200近い国家元首、王族などVIPが日本に集まりました。東洋の片隅の国に世界中の代表者が集うのは尋常ではありません。普段私たちは意識しませんが、いかに日本という国が世界から認められているかを改めて認識する機会となりました。その模様をNHKのNEW・WEBから引用します。
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即位礼正殿の儀
 ことし5月の皇位継承に伴って、新たに即位した天皇陛下が即位を内外に宣言される「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」が皇居・宮殿で行われました。天皇陛下は「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います」と述べられました。
 「即位礼正殿の儀」は国事行為として行われる「即位の礼」の中心となる儀式で、天皇陛下は皇居・宮殿の「松の間」で皇后さまとともに臨まれました。
 儀式には秋篠宮ご夫妻をはじめ、11人の皇族方が参列されたほか、外国の元首や王族、それに内閣総理大臣など三権の長や各界の代表など、およそ2000人が参列しました。
 21日夜から降り続く雨のため、中庭に整列する予定だった古式ゆかしい装束の職員は人数を減らして屋内に配置されました。
 天皇陛下は平安時代から儀式での天皇の装束とされる「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」に身を包んで「松の間」に入り、正面中央に置かれた高さ6メートル50センチ近くある「高御座(たかみくら)」の台座にのぼられました。
 続いて十二単(じゅうにひとえ)を着た皇后さまが「高御座」と並んで置かれた高さ5メートル50センチほどの「御帳台(みちょうだい)」にのぼられました。
 午後1時12分、侍従と女官によって、「高御座」と「御帳台」のとばりが開けられると両陛下が姿を見せられました。そして天皇陛下が即位を内外に宣言するおことばを述べられました。
 この中で天皇陛下は「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。国民の叡智とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします」と述べられました。
 続いて安倍総理大臣が天皇陛下の前で「寿詞(よごと)」というお祝いの言葉を述べました。そして安倍総理大臣の発声で参列者が万歳を三唱し、これに合わせて皇居外苑の北の丸公園で自衛隊が21発の礼砲を打ち鳴らしました。
 このあと「高御座」と「御帳台」のとばりが閉じられ、両陛下が「松の間」から退出されて、儀式はおよそ30分で終わりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor6/articles/
articles_ceremony_02.html
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 日本は国の内外に令和の時代を宣言しましたが、令和が始まりわずか半年のあまりの間に大きな災害が続いています。平成の時代は大地震を始めとする大災害が多発しました。そして令和の時代になり水害や台風被害を始めとする災害が多くの地域で発生しています。以前ブログ#264でもお伝えましたが、特に関東や東北地方では洪水が発生し、多くの人命が失われました。以前では考えられないほどのものすごい雨量が短時間で降り、そのために多くの河川が氾濫して周囲の町や村が水没する事態を招いています。
 これは平成の時代にはあまり見られなかった災害です。平成は地震や火山災害が多く発生しました「火の時代」が、令和は「水の時代」になるかもしれません。耐震や免振構造など地震対策は多くの住宅でなされていますが、洪水や浸水対策は地震に比べて防災意識が低いないのではないかと危惧します。地震と同じように水災害では電気・水道などインフラが被害を受け、地震災害と同等かそれ以上に長期間にわたり生活に影響を与えます。
 また地震ではそれほど影響を受けなかった家具や電気製品を再利用できますが、水害で家具等はすべて水に浸かり、廃棄するしかありません。また被害も広範囲にわたり、多量の災害ゴミが発生します。また地震と異なり、農作物や水産物への影響が多大なものとなります。
 ここ数年間の自然災害を目の当たりにして、災害は新しい段階に入ったようです。つまりこの国には安全な地域はどこにも存在しないということです。以前には発生しなかった地区で多くの洪水が発生しています。地球温暖化に伴い、台風はますます大型化していきますし、わずか1個の台風で大きな災害が引き起こされます。自然災害に対して「明日は我が身」となります。天気の変化を常に意識し、被害を最小限度に抑える日頃からの対策が必要となります。

2019年10月27日