#375 看護師さんの優しい気づかい

 昨日は所要で福岡へ行っていましたので、ブログの更新が本日になりました。昨日は日曜日でしたが、福岡市の人出は予想以上に多く、先週の水曜日からコロナの新規患者が100名を超えていますが、この人出を見て有りうることだと思いました。コロナに感染しないためにはなるべく外出しないことです。
 福岡市に限らず、大牟田でもこの数日間感染者が急増しており、日によっては20名を超える日も出ています。以前は毎日1~2名の患者が発生してましたので、急激な増加となっています。
 さて、朝から晩まで新コロのニュースで憂鬱になりがちな毎日です。このような時こそ、心温まる話題が欲しいものです。今日は『夜、寝る前に読むと心が「ほっ」とする50の物語』(西沢泰生著)からこころ温まる話をご紹介します。

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『看護師さんの、優しい気づかい』
 これは、私が薬をもらいに近所の病院へ行った時に目撃した、その病院の女性の看護師さんの「実に気がきいた、優しい対応」の話です。
 どうも、その日は健康診断の実施日のようで、何人かの人たちが「今日、健康診断を予約しているのですが……」と言って受付をしていました。
 と、そこへひとりのおじいちゃんが……
 以下、おじいちゃんと受付の看護師さんの会話。

「あの~、今日健康診断にきたんだけど」
「はい。では、予約票をお願いします」
「予約票?」
「健康診断を申し込まれた時に、もらいませんでした?」
「……」
「じゃあ、今日、予約が入っているか見てみますね。え~と、お名前は?」

おじいちゃんから名前を聞いて、パソコンで今日の受診予約者を調べる看護師さん。ところが、その中に、そのおじいちゃんの名前がない。

「今日の受診予定者の中にお名前が無いみたいですねえ」
「えっ。今日のはずなんだけど……」
「じゃあ、今日受診できるかどうか、担当に聞いてみますね」

そう言って、おじいちゃんを帰そうとはせず、内線電話をかける看護師さん。なかなか優しい対応ぶりです。
しかし、私が「すばらしいな」と思ったのは、このあと看護師さんが、内線電話に出た相手へ言ったひと言でした。看護師さんはこう言ったのです。
「〇〇さんが『健康診断の日を本日に変更したい』と受付にいらっしゃっているのですが、大丈夫でしょうか」

 じつにシンプルです。要は、たぶん日にちを間違えて病院にきてしまったおじいちゃんの予約日を、今日に変更できればそれでOK。
 そのためには、経緯なんて、ちょっとくらい変えてしまったっていい。最初から最後まですべて説明する必要なんてないんですよね。ここでもし、
「〇〇さんが受付にきて、今日の受診予定だとおっしゃっているんですけど、予約票を忘れているみたいで……。それで調べてみたら、本日の検診の予定者の中に、名前が無いんです。間違えていらしたのだと思うのですが、どうしましょう?」
 なんて、すべての経緯を、大きな声で言ってしまったら。
 おじいちゃんも、「自分のせいで、迷惑をかけてしまったかな?申し訳ないことをしたな……」と、気にしてしまうでしょう。
 そうなると、待合室で順番待ちをしている他の患者さんの目も気になってしまうはずです。この看護師さんは、とっさにそんな配慮をした上で、経緯を省略して話したのです。
 そして、内線をもらった相手にとっても、忙しい時にくどくどと長い話を聞かされないですむ、こうした「簡にして要を得た」説明は助かります。
 この看護師さんは、おじいちゃんにとっても内線の相手にとってもベストな、優しくてすばらしい対応をしたのです。
 その後、看護師さんはおじいちゃんに「今日は、受診者の数が少ないので大丈夫ですよ。そのままお待ちください。」とにこやかに告げていました。
 めでたし、めでたし。
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 この看護師さんのような咄嗟の対応はなかなかできるものではありません。特に慌ただしい時には相手に対し角が立つものです。どんな時でも相手の立場に立った対応ができるようになりたいものです。

2021年04月18日