#166 子ども食堂、悩むニーズ把握

 前回まで政治的な話題が続きましたので、今日は久しぶりに「子ども食堂」の話をしたいと思います。昨日の西日本新聞に『子ども食堂、悩むニーズ把握 7割「来てほしい子来ない」九州運営者アンケート』という記事が載っていました。(https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/403341/を参照)この記事を引用します。
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 温かい食事や居場所を提供する「子ども食堂」について、九州の運営者にアンケートしたところ、7割が「来てほしい家庭の子に来てもらえない」とニーズ把握に悩んでいることが分かった。17日に福岡県春日市であった「広がれ、こども食堂の輪! 全国ツアーin福岡&九州サミット」の実行委員会が調査した。実行委は「地域や子どものニーズに合わせて食堂の形態を考えていく段階に来ている」と指摘する。
 アンケートは2~3月に実施。九州7県で子ども食堂を運営する49の団体・個人から回答を得た。利用対象者を尋ねたところ、7割以上が「大人を含めて誰でも」。子ども食堂は貧困対策を出発点としてきたが、最近は家庭や地域に居場所のない子の受け皿になったり、学習支援の場になったりと形態が多様化しており、対象を「生活困窮家庭の子」に限っているのは2カ所だけだった。
 課題は、地域の中で「来てほしい子」をどう把握するか。呼び掛けるだけでは限界もあり、アンケートでは、35カ所がスクールソーシャルワーカーや民生委員など他団体から紹介してもらったことがあると回答した。どんな子に来てほしいか、運営側の意識統一ができていないケースもある。
 一方、食堂に来た子を児童相談所や自治体の支援窓口につなげたことがあるのは5カ所にとどまった。運営スタッフは有志中心で対応が難しいケースもあり、実行委員長を務めた大西良筑紫女学園大准教授(社会福祉学)は「子ども食堂を持続可能な取り組みにするには、スタッフの負担を減らし、専門機関とも連携を深める必要がある」と提言する。
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 確かに上記の記事にある通りだと思います。私は毎週木曜日に手鎌地区公民館で大牟田市の委託による社会福祉協議会主催の学習支援活動にボランティアとして参加していますが、現在10数名の生徒が学習しています。しかし、民生委員などの話では市内に百数十名ほどの貧困家庭の子ども達がおり、市内2か所の学習支援に参加している子どもの割合はおよそ全体の2割程度になります。また大牟田市内にも「こども食堂」に該当するボランティア団体がありますが、参加人数はそれほど多くありません。
 この原因はいろいろあると思いますが、まず第一に支援の必要な家庭の保護者が学習支援やこども食堂の存在を知らないことが挙げられます。大牟田市では「市政だより」等で広報をしていますが、「市政だより」を見ませんと親御さんは気づきません。どのように知らせるかが今後の課題であり、まだまだ努力不足があるようです。次に考えられるのが親御さんが必要性を感じていない。言いかえれば子供の教育に関心がない、ということになります。いずれにしても子ども自身がこのような支援活動に気づくことは少なく、市役所の福祉課や、民生委員の努力により支援活動の存在を知らせていく必要があります。
 また子ども食堂の運営に成功しているところもあります。一例として「赤ちゃんポスト」で有名な熊本の慈恵病院の「エンゼルこども食堂」は熊本地震2週間後に子ども食堂を始めたそうですが2年間でのべ6000人のこどもに食事を提供したそうです。貧困世帯のほか、親が働いて一人で食事する孤食の子どもに無料で食事を提供しています。(https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/kumamoto/article/403037/)
 これからも学習支援や子ども食堂のような福祉活動が広がりを見せるでしょうが、地域や子どものニーズに合った活動となるように工夫を凝らす必要があります。

2018年03月25日