#143 ちいさい秋見つけた

 今朝は今秋一番の冷え込みとなり、当地では最低気温5度を記録しました。現在は気温10度ですが、日中はこのまま気温が上がらない状態が続く見込みです。週末から急に寒くなり、晩秋というよりも初冬の雰囲気が漂っています。特に本日は年末年始の寒さだそうです。
 さて前回のブログでは童謡・唱歌の「紅葉」を紹介しましたが、今朝から「小さい秋見つけた」が何故か胸の中でこだましています。私がこの歌を初めて聞いたのは、たしかNHKの「みんなの歌」だったと思います。時期は分かりませんが、おそらく幼稚園の頃ではなかったかと思います。ボニージャックスが歌うこの歌の前奏が物悲しく、秋から冬へと移る季節感が漂い、不思議な雰囲気を醸し出しています。作詞・作曲は、かのサトウハチロー、中田喜直です。ウィクペディアによると、作詞のきっかけは『サトウハチローが住んでいた東京都文京区弥生の自宅の庭にはぜの木が植えられており、この木の紅葉する情景を見たのが作詞のきっかけとなった。この自宅は1996年に岩手県北上市のサトウハチロー記念館に移築され、はぜの木は後楽園駅近くの礫川公園に移植された。』と説明しています。なお歌詞は次の通りです。


  「ちいさい秋見つけた」
  作詞:サトウハチロー 作曲:中田喜直

  だれかさんが だれかさんが
  だれかさんが 見つけた
  小さい秋 小さい秋
  小さい秋 見つけた
  目隠し 鬼さん 手の鳴る方へ
  澄ました お耳に かすかに沁みた
  呼んでる口笛 百舌(モズ)の声
  小さい秋 小さい秋
  小さい秋 見つけた

  だれかさんが だれかさんが
  だれかさんが 見つけた
  小さい秋 小さい秋
  小さい秋 見つけた
  お部屋は 北向き 曇りのガラス
  うつろな目の色 溶かしたミルク
  わずかな 隙から 秋の風
  小さい秋 小さい秋
  小さい秋 見つけた

  だれかさんが だれかさんが
  だれかさんが 見つけた
  小さい秋 小さい秋
  小さい秋 見つけた
  昔の 昔の 風見の鳥の
  ぼやけた 鶏冠(トサカ)に はぜの葉一つ
  はぜの葉 赤くて 入日(イリヒ)色
  小さい秋 小さい秋
  小さい秋 見つけた

 この歌の1番の歌詞「目隠し 鬼さん 手の鳴る方へ澄ました お耳に かすかに沁みた」、2番の歌詞「お部屋は 北向き 曇りのガラスうつろな目の色 溶かしたミルク」、3番の歌詞「昔の 昔の 風見の鳥のぼやけた 鶏冠(トサカ)に はぜの葉一つ」には何かしら日常生活とは異なる不可思議な空間を思わせるサトウハチローの独特な死生観を表しています。今年も秋が例年よりも短く、冬の装いが近づいています。季節の変わり目ですので、ますますご自愛ください。

2017年11月19日