#261 心がほっとする話

 昨日九州地方を駆け抜けた台風17号は今朝温帯低気圧になり日本海を進んでいます。温帯低気圧とは言いながら、暴風・大雨の性格を帯びていますので、低気圧の進行方向にいる皆様は充分お気をつけ下さい。
 台風17号は大型の台風で、九州の西側を通るコースを移動しましたので(この場合が九州の西部や大牟田市にとり最悪のコースになります)、一日中自宅にいて台風が通過するのを待っていました。台風15号ほどではありませんが、九州地方では14万件以上が停電し、現在も長崎県を中心に3万戸以上が停電しているようです。早急の電力復旧が待たれます。3週間前の台風15号による千葉県内の停電はまだ完全に復旧していません。1つの台風の被害がいかに大きなものであるかを考え、予知が難しい地震と異なり、台風は進行方向が予見できますので、あらかじめ台風に対する対策を十分する必要があります。
 さて今日は台風一過でもあり、心からほっとする話をご紹介します。まず最初は航空会社の思いやりのある対応です。

「お連れ様はどちらですか?」妻に先立たれた男性、客室乗務員の対応に…
 半世紀以上も連れ添った妻に先立たれた、横浜市の知人男性からこんな話を聞いた。男性は葬儀を終えた後、故郷である佐賀県唐津市の寺に納骨するため、羽田空港から空路、九州へと向かった。
 遺骨を機内に持ち込めることは知っていた。でも入れたバッグがかなり大きく、念のため搭乗手続きの際に中身を伝えた。機内に乗り込み、上の棚にバッグを入れて席に着くと、客室乗務員がやって来てこう言った。「隣の席を空けております。お連れ様はどちらですか?」
 搭乗手続きで言ったことが機内に伝わっていたのだ。男性が「ああ、上の棚です」と説明すると、乗務員はバッグごと下ろしてシートベルトを締めてくれた。飛行中には「お連れ様の分です」と飲み物も出してくれたという。
 「最後に2人でいい“旅行”ができた」と男性。その表情を見ていたら、こちらも温かい気持ちになった。 (https://www.nishinippon.co.jp/item/n/357086/)

 国内の航空会社の心温まる応対です。どこの航空会社か分かりませんが、亡妻の遺骨を「もの扱い」せず、一人の人間として扱ってくれたこの会社に拍手です。さて次に紹介します話は「これぞプロ意識!」と言えるものです。

「食べさせられませんから」通話中に冷めたラーメン 若い店主の行動に客は驚き
 ふらりと立ち寄った、あるラーメン店。こだわりのスープが売り物とか。まだ若い店主の元気な声が響く。ラーメンを注文した客の携帯電話が鳴った。込み入った内容らしい。客は話しながら店の外へ。出来上がったラーメンが席に置かれた。客はなかなか戻ってこない。
 しばらくして席に着いた客がラーメンに手を伸ばそうとした。その時、店主はさっとラーメンの器を引いて、湯気の立つ作りたてに取り換えた。驚く客に「お客さんに、冷めたラーメンは食べさせられませんから」
 「2杯分の料金を」との申し出を固辞した店主。そのTシャツの背中に書かれた文字に目が留まった。「一杯入魂」。野球の「一球入魂」のもじりだろうか。なるほど。この店のラーメンがうまい理由が分かった
 仕事帰りに乗った、ある路線バス。停留所に止まるたび、運転手が車内アナウンスを繰り返す。「週末の金曜日です。1週間、お疲れさまでした」
 バスを降りるお年寄りには「寒いですから気を付けて」「自転車にご注意ください」。あえて言えば「一停入魂」か。学生たちが「ありがとうございました」と笑顔で降りていった。外の風は冷たいが、車内は何だかポカポカと
 ラーメン店主とバス運転手。仕事は違っても、心を込めて最良のサービスを提供しようというプロ意識には通じるものが。料金はいつもと同じなのに、すごく得をした気分にしてくれた。(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/388375/)

 このラーメン屋の店主やバスの運転手のプロ意識は私たちが模倣しなければならない姿勢でもあります。学生は学生らしく、社会人は社会人らしく、自分の仕事に誇りを持ち周りの人々に真摯に対応する姿勢はまさに「プロ意識」を持った職人と言えるでしょう。
 今日は秋分の日です。現在私たちがこの世に存在しているのは先祖の方々のおかげです。台風一過、墓参してはいかがでしょうか。

2019年09月23日