#235 平成時代の終わり

 本日は4月30日、平成最後の日になります。各テレビ局は早朝から天皇陛下、皇后陛下の話題を中心に皇室に関連した番組を放送しています。NHKでは先週から皇室関連の特別番組を流しており、平成の世において皇室の在り方を考えさせるような特集を組んでいます。
 昭和から平成への世替わりは昭和天皇の崩御とともに平成が始まりましたので、悲しみと慶びが入り混じった不可思議な雰囲気がありましたが、今回の平成から令和への世替わりは、なにかしら12月31日の大みそかのような雰囲気が漂っており、明日正月が来るような華やいだ気分になります。言いかえれば、真の意味での新しい時代の始まりです。
 さて以前のブログでも書きましたが、平成時代の31年間は皆様にとってどのような時代だったでしょうか。英語の generation (1世代)はおよそ30年を意味します。子どもが生まれ、成人し、そして次の家庭を作るまでが30年かかるという意味が含まれています。今生きている方で60歳までの方々は人生の半分以上を平成時代に過ごしたことになります。すべての人々が人生の途上で喜怒哀楽を感じ、様々な体験をなさったことでしょう。私も昭和と平静を半分ずつ生きたことになり、次の令和を生きることになりますと3つの時代を生きることになります。明治・大正・昭和を生きた方々はすでに100歳を超える御年となられますが、さすがに人生が1世紀を超えますと、その長寿に思わず頭が下がります。
 天皇陛下が仰るように、この平成を通して確かに日本が戦争に巻き込まれることはありませんでしたが、周囲の地域紛争や日本の平和維持に関わる姿勢が常に問われていた時代でもあります。また地震や台風、大雨等による自然災害が多数発生した時代として記憶されることでしょう。特に福岡県や九州に住んでいる方々は2005年の福岡西方沖地震や、2016年の熊本地震を体験しています。また九州は大地震だけでなく火山による被害も他の地域に比べて多く、普賢岳の大火砕流はいつまでも記憶に残る災害となっています。
 また平成は社会不安も多かった時代です。人間のものとは思えぬ異常な大量殺人や猟奇事件、カルト事件が多く発生し、特にオウム事件は歴史上初めてサリンを使った化学兵器を使用し、多数の死傷者を出しました。この後遺症で今でも苦しんでいる人が多くいます。この時代には対外戦争は起こりませんでしたが、誠実な生き方とは異なる拝金主義や詐欺事件など人々の心の中の戦争は今でも続いています。
 明治以降近代国家に向かった日本は令和の時代にに入り、どのような国家になっていくでしょうか。この国がいつまでも平和であり、世界に模範となるような国であり、平和を率先して作り上げていく国家になって欲しいものです。今日で平成が終わり、そして明日から令和が始まります。さよなら平成!

2019年04月30日