#282 天に異変が!?

 今年度のセンター試験が本日で終了し、いよいよ来年度から大学入試共通テストが始まります。現在の高校2年生が受験することになりますが、ご存じのように文科省の方針に対して様々な異論が噴出しています。もちろん英語だけでなく、数学や国語などの教科にも採点方法や採点基準等に対して多くの懸念があり、今後の文科省の対応に注視していく必要があります。
 さて真冬の夜空の名物としてオリオン座と冬の大三角形がよく話題になりますが、この冬の大三角形を形作っているオリオン座に今異変が起こっています。冬の大三角形はおおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスの3つの星がが形成する三角形です。このうちベテルギウスの様子がおかしいのです。天文ファンの間ではここ数年の間大きな話題となっていますが今冬になりベテルギウスの光が2等星以下に落ちているのです。普段のベテルギウスが1等星の輝きで、冬空に一際輝いていますが、昨晩見たところ、確かに光量が落ちており、大三角形の形が崩れています。
 専門家によりますと、ベテルギウスは光量を変える変光星で数10年単位で明るさを変えますが、昨今の明るさの変化は異常としか言えないほど落ちています。このことに関する記事を紹介します。

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『ベテルギウス、爆発迫る? オリオン座、減光で話題に
 冬の夜空に明るく輝くオリオン座の「ベテルギウス」が昨秋から暗くなっている。もともと明るさが変わる変光星だが、通常の範囲を外れた暗さだとの情報が出回り、寿命が尽きて超新星爆発を起こすのでは、とインターネット上で話題になった。だが専門家は否定的だ。
 オリオン座はギリシャ神話の狩人オリオンがモデルで、ベテルギウスは右肩の赤い星。質量は太陽の約20倍、約1千万年の寿命のうち9割を過ぎたとみられる。爆発すれば天の川銀河で約400年ぶりの超新星で、月ほど明るくなった後、見えなくなる可能性がある。
 確かに暗くなってはいるようだ。大西浩次長野工業高専教授によると、通常は0等から1.2等の幅で明るさが変動するが、昨年12月ごろからは従来の幅を超えるくらい暗くなったという
ただ、異常事態かどうかには疑問符が付く。国立天文台の山岡均准教授は「測定精度は観測者による差が大きい」と指摘。2003年と07年にも同程度に暗い時があったとする。何より「超新星爆発と今回の変光は無関係」と山岡さん。爆発前に星が暗くなるような現象は起きないという。「爆発間近か」「星空が寂しくなる」とあおるツイッターなどの書き込みに困惑した様子だ。
 寿命といっても「あと数日という人もいるし、数十万年くらいかも」と大西さん。気長に待つよう勧めている。
(https://news.livedoor.com/article/detail/17683197/)
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 専門家によりますと、ベテルギウスが超新星爆発を起こすかどうかは疑問とのことですが、日蝕や月蝕以外で天文の話題が人口に膾炙するのは面白いことです。小学生の頃に父に天体望遠鏡を買ってもらい、毎晩月や惑星を眺めていたことを今でも思い出します。月は比較的大きな衛星ですので、月面がはっきりと見えますが、惑星にいたっては遠距離にありますので、小さな望遠鏡ではいくら倍率を上げても、にじんだ点にしか見えません。例えば天体写真で土星の輪がはっきり見えている写真がありますが、あれは本格的な望遠鏡を使用して撮った写真であり、残念ながら私の望遠鏡ではぼんやりした楕円形しか見えませんでした。
 最近の高性能の望遠鏡ではコンピュータを連動したものがあり、星座名や惑星名を入力するだけで、その方向に自動的に望遠鏡を向けるシステムをもったものが比較的購入しやすい価格で販売されています。今後ベテルギウスが超新星爆発をいつするのか分かりませんが、たまには夜空を見上げることもよいことです。今夜あたり冬の星座を楽しんではいかがですか。

2020年01月19日