#182 ゲーム依存症は疾患!

 昨日沖縄地方では梅雨明け宣言がありました。沖縄では毎年6月23日は沖縄戦の犠牲者を悼む「慰霊の日」であり、沖縄県内各地で追悼行事や慰霊祭がありました。沖縄南部の糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園では県など主催の「沖縄全戦没者追悼式」が営まれました。沖縄と九州では梅雨の期間がひと月ほどずれますので、九州地方はこれからが梅雨本番になります。昨年は福岡県や大分県を中心に集中豪雨の被害が相次ぎましたが、今年は未然に災害を防ぐ手段をできるだけ講じて、被害者を出さない工夫が必要です。
 さて先日気になる記事が新聞やテレビで報道されましたので、目にされた方も多いことと思います。以下に朝日新聞のHPより関連記事を抜粋します。
(https://www.asahi.com/articles/ASL6K741TL6KULBJ009.html)
-----------------------------------
 スマートフォンなどのゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたすゲーム依存症が「ゲーム障害」として国際的に疾患として認められた。世界保健機関(WHO)が18日公表した、改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案に明記された。来年5月のWHO総会で正式決定される。ICDは日本をはじめ多くの国が死因や患者の統計、医療保険の支払いなどに使う病気やけがの分類。
 厚生労働省の調査では、成人約421万人、中高生約52万人がゲームなどのネット依存の恐れがあると推計されているが、政府は依存を防いだり依存傾向のある人を早期発見したりするための対策をほとんどとっていない。ゲーム障害が国際的に疾患として認められたことで、予防対策や適切な治療を求める声が強まるとみられる。
 ゲーム障害は、依存性のある行動で日常生活に障害をきたす精神疾患の一種とされた。日常生活に支障が出てもゲームを優先する状態が12カ月以上みられる場合で、症状が重い場合はより短期で診断できるとした。ただし、飲酒同様、ゲームをする行為自体が問題とされたわけではない。
 国内で初めて専門外来を開いた、国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長は「公式な疾患になることで、ゲーム障害は本人の意志が弱いからではなく、治療が必要な病気だと理解してもらえるようになって欲しい」と話す。
 日本企業も加盟する米国のゲーム業界団体など20カ国以上のゲーム業界団体がゲームに依存性はないと反対している。WHO担当者は「科学的な根拠に基づき疾患に加えた。各国は予防や治療態勢の計画を立てるべきだ」と反論する。
------------------------------------
 以上が記事の抜粋ですが、WHOもついにゲーム依存症を疾患として認定したようです。なおこの疾患の定義をまとめると、
・ゲームをする時間などを自分でコントロールできない。
・ゲーム以外の出来事や関心事の優先度が低くなる。
・日常生活に支障をきたしてもゲームを優先する。
こういった状況が12カ月以上続くと「ゲーム障害」と認定される。深刻な場合にはより短期でも診断される(同記事)、ということです。
 確かに、多くの世代で携帯等を使用してゲームに夢中になっている人たちを通勤途上でしばしば見かけますが、「ゲーム」に関わらず、スマホ依存症もこの類の疾病と定義してもよいと思います。なお、このスマホ依存症については脳生理学の立場で別の機会に述べてみたいと思います。
 ゲームは確かに面白く、気分転換や暇つぶしに最適のツールですが、依存症になるほどのめり込んでは人生が終わってしまいます。この点でパチンコなどのギャンブル依存症に似た様な生活状況を作り出します。物事には中庸(ほどほど)が肝心です。

2018年06月24日