#314 三峡ダム危うし!

 梅雨末期の集中豪雨が一段落して、全国各地の被災地は後片付けに追われています。ここ大牟田でも特に被害が大きかった三川、三里地区では住民の方々が毎日後片付けに多忙の日々を送っています。九州北部の梅雨明けの平均日は7月19日となっていますが、天気予報を見ますと、まだ梅雨明けには程遠く、今後1週間は曇りや雨の予報が出ており、このままでは月末に梅雨明けの発表がありそうです。今年の梅雨は今までにない梅雨と後世に記憶されるかもしれません。
 さて、この異常な梅雨は日本だけではありません。日本ではあまり報道されませんが、中国の梅雨による洪水の被害がネットで大きな話題となっています。梅雨前線は日本特有のものではなく、はるかインドから連なるもので、中国版部を経由し、日本列島まで伸びています。その中国でとんでもない洪水が中国南部いたるところで発生しています。中国では河川流域の約1500万人に避難指示が出ています。また一番危惧されているのが世界一の三峡ダムの決壊です。中国メディアでは詳細を報道しませんが、ネットでは詳しい情報が数多く出されています。今日はその中の1つの情報を紹介したいと思います。
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『中国で豪雨被害が深刻化 死者・不明者141人、約3800万人が被災』
北京=三塚聖平】中国国営中央テレビ(電子版)は13日、中国南部など幅広い地域で6月から続く記録的な豪雨による洪水などで、これまでに27省市・自治区で延べ約3800万人が被災し、死者・行方不明者が計141人に上ったと報じた。建物2万8千棟が倒壊などの被害を受けたという。中国当局は今後も数日間は大雨が続く可能性が高いとして警戒している。
 豪雨による被害は、長江流域を中心に深刻化している。長江の中・下流や周辺の湖などで水位の上昇が続き、212の河川で水位が警戒ラインを超した。湖北省などで土砂災害も発生し、経済的な損失も拡大している。
 中国紙、湖北日報(電子版)によると、長江中流にある世界最大級の「三峡(さんきょう)ダム」では、下流地域での増水を抑えるため、放水量を減らしているという。
 習近平国家主席は12日、水害対策と災害救助を強化するよう「重要指示」を出した。国営新華社通信によると「最大の努力を尽くして、人民の生命と財産を守らなければならない」と強調し、軍などに積極的な対応を求めた。
(https://www.sankei.com/world/news/200713/wor2007130018-n1.html)
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 また三峡ダムの決壊を危惧するニュースも数多く出されています。その中の1つを紹介します。
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『三峡ダム、警戒水位5.5メートル超え—仏メディア』
2020年7月12日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、長江にある世界最大級の三峡ダムが、警戒水位を5.5メートル超えたと伝えた。
記事は、「長江水利委員会水文局の水位・水量予報所の専門家によると、暴雨の影響で長江上流から三峡ダムへの流入量が増加しており、新たな洪水が発生する可能性がある」と紹介。11日午後8時の時点で三峡ダムの水位は150.5メートルに達し、警戒水位を5.5メートル超えたという。「洪水調節に基づき、12日からダムの放流量を増やして毎秒3万9000立方メートルとするが、この流量は72時間後に武漢市に到達する見込み」と伝えた。
 記事はまた、中国メディアのこれまでの報道を基に、「6月29日に三峡ダムの水位はすでに147メートル近くにまで達しており、警戒水位を2メートル超えていた」と紹介。「放水量を毎秒3万5000立方メートル以上とすることに決定したが、これは長江の中下流域にとっては洪水防止の大きなストレスになっていた」と説明した。
 そこで三峡ダムは、7月6日午前8時から毎秒3万5300立方メートルだった放水量を7月11日午前8時には毎秒2万2000立方メートルにまで徐々に下げた。これにより武漢市の10日の水位は前日比で9センチ上昇にとどまった。しかし、暴雨の影響で三峡ダムでは水位が150.5メートルに達し警戒水位を5.5メートル超えたため、当局は放水量を毎秒3万9000立方メートルにまで増やすことにしたという。
 中国メディアによると、7月12日午後1時の時点で武漢市漢口の長江の水位は28.7メートルに達し、観測史上4位の水位となり、一部の水位は市内の主要道路より高くなったという。湖北省では9日に水害防止レベルを3級から2級に引き上げており、すでに902万人が被災している。省都の武漢市の状況も深刻だといい、現地メディアによると11日の時点で長江漢口の水位は28.38メートルに達した。この水位は観測史上5位の高さだという。
 長江流域の他の地域も楽観はできないようだ。記事によると、12日午後の時点で南京下関では水位が10メートルに達し、警戒水位を1.3メートル超えた。これは観測史上最高の10.22メートルに迫るもので、三峡ダムができてからは初の10メートル超えだという。
 江西省も同様で、10日に鄱陽湖の水位が1998年に記録した観測史上最高の22.52メートルを超えた。九江市内の水位も上昇し続けており、警戒水位を3メートル超えたため、一部の住民に避難命令が出されたという。(翻訳・編集/山中)
(https://news.biglobe.ne.jp/international/0714/rec_200714_1487300787.html)
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 最近の梅雨時の大雨は太平洋やインド洋の海水温の上昇により、多量の水分が梅雨前線を刺激しているとの研究もあります。今年は台風の発生が少ないようですが、今後発生する台風も大型化が懸念されています。梅雨時の集中豪雨の次は台風による豪雨や暴風に充分注意する必要があります

2020年07月19日