#392 異常な夏

 8月を迎えても不安定な天気が続いていましたが、10日頃より断続的に雨が降り出し、徐々に豪雨へと変わっていきました。今回の豪雨は九州地方だけでなく、広島や近畿地方、さらには岐阜県など信州地方から東北へと全国的に降り続き、多くの場所で大災害を引き起こしています。現在は前線が九州南部へ下がり小康状態ですが、明日の未明からまた大雨が降り始めると予想されています。
 昨年の7月に大牟田は水害に襲われ、諏訪川の排水ポンプが停止し、三川地区は浸水しましたが、今年は新たに排水ポンプを設置してフル稼働のおかげで、深刻な水害は現在のところ防がれています。しかしながら今回の豪雨は九州北部に線状降水帯が長期にわたって居座り、長崎、佐賀の多くの市町村、福岡も久留米や朝倉など大きな水害が生じています。被害に遭われた多くの方々に心よりお見舞い申し上げます。
 さて、日本で発生している大雨による災害は世界中の多くの地域でも発生しています。例えば現在猛威を振るっている梅雨前線ですが、インドの北部から始まっており、中国南部を通って日本まで伸びています。中国政府は自国に不利な情報は発信しませんが、中国の南部では数か所のダムが決壊し、多くの村が水害に見舞われています。またダムの決壊を防ぐために中国軍が川縁をダイナマイトで壊し、川の流れを変える荒々しい方法を使用しています。その周囲の村落は大迷惑ですが、数年前に事故を起こした中国新幹線を地中に埋めたことを考えると、ダムの決壊を防ぐ意味で川縁を破壊することはありうると思います。
 またヨーロッパでは数週間前の豪雨でドイツやフランスなど多くの国が洪水に襲われ、多くの犠牲者を出したことは記憶に新しいところです。また現在ギリシャでは大規模な山火事に見舞われています。専門家の意見では、今年の自然災害は地球を周回しているジェット気流の蛇行が原因だそうですが、地球温暖化も一因となると思われます。
 地球温暖化については様々な意見がありますが、人類が産業革命以来使用している石油や石炭など化石エネルギーが地球の温度を上昇させている主な原因となっています。換言すれば、人類が今までの生き方を変えない限り、今年のような自然災害が来年以降も続くことになります。現在世界中の政府やマスコミが「SDGs」(持続可能な発展目標)を声高に叫んでいますが、はたして可能でしょうか。国際連合広報センターのHPには次の文言が載っています。
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持続可能な開発目標(SDGs)とは、すべての人々にとってよりよい、より持続可能な未来を築くための青写真です。貧困や不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和と公正など、私たちが直面するグローバルな諸課題の解決を目指します。SDGsの目標は相互に関連しています。誰一人置き去りにしないために、2030年までに各目標・ターゲットを達成することが重要です。
(https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/31737/)
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詳細な説明は省きますが、SDGsには17の目標が設定されています。

・貧困をなくそう
・飢餓をゼロに
・すべての人に健康と福祉を
・質の高い教育をみんなに
・ジェンダー平等を実現しよう
・安全な水とトイレを世界中に
・エネルギーをみんなにそしてクリーンに
・働きがいも経済成長も
・産業と技術革新の基盤をつくろう
・人や国の不平等をなくそう
・住み続けられるまちづくりを
・つくる責任つかう責任
・気候変動に具体的な対策を
・海の豊かさを守ろう
・陸の豊かさも守ろう
・平和と公正をすべての人に
・パートナーシップで目標を達成しよう

 しかし、いくら立派なお題目を唱えても、私たち一人ひとりの意識が変わらない限り、この惑星を維持できないでしょう。否、私たちが地球を維持するのではなく、この惑星が私たち人間をふるい落としにかかるでしょう。今蔓延している新型コロナ以上に高い致死率を持った感染症が人類を絶滅させるかもしれません。地球にとって現在の私たちは「ガン」そのものなので、自然と共存する生き方を考え実践しない限り、現代文明は終わりを迎えることになります。

2021年08月15日