#559 巧言令色
今日は10月最後の日曜日です。例年であれば10月初旬に既に衣替えを行い、長袖シャツに着替えるのですが、最高気温25度を超える夏日がまだ続いていますので、半袖で充分過ごせる日々が続いています。しかし季節の移り変わりは風景の中に現れ、車窓から眺める稲田はすでに稲刈りも終了し、静かに佇んでいます。また裏通りにはモクセイの甘い香りがほのかに漂っています。秋本番の今日この頃です。
ところで、本日は第50回衆院選の投票日で、全国各地で投票が行われています。私も午前中に近くの小学校で投票を済ませました。今回の選挙結果は今日の午後8時以降にNHKや民放で一斉に報道されます。次の国政に影響を与える重要な選挙となります。昨日まで全国各地で遊説や集会が行われ、各政党の党首や関係者による応援演説がニュース番組などを通して流れていました。
さて、本日のブログタイトルは「巧言令色」です。この意味は広辞苑によりますと、
[論語(学而)「巧言令色鮮(すくな)し仁]
口先がうまく、顔色をやわらげて人を喜ばせ、こびへつらうこと。仁の心に欠けることとされる。
とあります。また「仁」の定義は、「いつくしみ。思いやり。特に孔子が提唱した道徳観念。礼にもとづく自己抑制と他者への思いやり。...」とあります。たしかに口先だけがうまく、実行が伴わない行為は今回の多くの政治家たちによる遊説の中に多く見られました。彼らの政策は聞こえは良いが、本当に実行できるのでしょうか。政策を実施する予算はどこから出てくるのでしょうか。まさか増税して、それを財源とするのではないでしょうか。
ここで日本国民は本当に誰がこの国を幸福に導いてくれるのか賢い判断をしなければなりません。それが今回の選挙です。例えば「外交・安全保障」に関しても問題が山積です。先日のニュースではロシアと北朝鮮の新たな関係が報道され、北朝鮮の兵士およそ12000人がウクライナ戦争に向けて派兵されるそうです。これは朝鮮半島で何らかの紛争が勃発すればロシアが北朝鮮を支援することを意味します。まるで明治時代の朝鮮半島をめぐる日露戦争を思い起こします。
また今回の選挙にかかわらず、大いに懸念されることは投票率の低さです。特に若者たちの投票率が常に話題になりますが、この原因の1つに学校教育の欠点が上げられるでしょう。2022年(令和4年)4月から高校で「金融教育」が義務化され、資産形成の授業がスタートしました。いわゆる「金儲けの授業」が行われています。しかし本当に重要なのは、この国の現在の状況を若者に認識させ、どのように日本丸の舵取りを行っていくかを教えることです。
国が亡くなれば、国民は路頭に迷います。これは昭和20年の敗戦が如実に証明しています。そのような状況を防ぐために、私達国民は賢い政治家を選び、彼らに対して様々な意見を述べ、政治家が正しい政治を行っているかを絶えず監視していく責任があります。その主たるものが国政選挙です。口先ばかりの「劇場型政治家」を選ぶのではなく、日本丸を正しい進路に導いてくれる至誠の政治家を選ばなければなりません。
今回の選挙で日本の将来が決まります。世界中で現在多くの紛争が続いていますが、それがいつ世界大戦へ拡大していくか懸念する必要があります。中東紛争やウクライナ戦争のヨーロッパ拡大、朝鮮半島を含む極東アジアの紛争勃発など様々な懸念が世界中にあふれています。日本がこれらの紛争にいつ巻き込まれてもおかしくない情勢です。自己の利益に奔走するのではなく、大所高所から日本丸を導いてくれる政治家を選ばないと、この国の将来はありません。その大事な局面が今回の選挙です。
注:劇場型政治
単純明快なキャッチフレーズを打ち出し、マスメディアを通じて広く大衆に支持を訴える、ポピュリズム的政治手法。敵対勢力を悪役に見立て、自分は庶民の味方として戦いを挑むといった構図を作り上げ、国民の関心を引きつける。日本では小泉純一郎が得意とした手法。(「Goo辞書」からの引用)