#306 空港ピアノ

 現在緊急事態宣言が続いている東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏1都3県と北海道に週明けには解除宣言が出されるようです。ようやく日本中が平常に戻りつつありますが、新コロ以前の生活になるにはかなりの時間が必要になるようです。ワクチンや特効薬の開発に時間がかかり、それが世界中に普及するまでにかなりの月日がかかるでしょう。
 そのような中で東京オリンピックの来年開催が10月に判断されるというニュースが先日報じられました。10月の時点での判断は早すぎる気がしますが、オリンピック開催の準備のためには多くの時間が必要とされますので、10月を最終判断としたのでしょう。来年開催することができなければ中止となります。今の新コロ状況が続けば、中止の可能性が高く、日本がオリンピックにつぎ込んだ努力や経費はすべて徒労になります。そうならないように新コロが少しでも早く収束するように、日本だけでなく世界中が協力して感染症に対して防疫体制を整えませんと、第2、第3の新型ウィルスが発生し、その度に同様の緊急事態宣言が出されることになります。
 さて、このような緊急事態の時にこそ心にゆとりを持ちたいものです。多くの県で緊急事態宣言が解除されましたが、それでも自宅で過ごす人がまだ多い状態で家庭内暴力を始めとする様々な問題が生じました。また「自粛警察」のような極端な正義感を振り回す輩も発生しています。それらの原因を一言でいうと、「心に余裕がない」ということでしょう。心の余裕を取り戻すために、音楽を聴くことをお勧めします。一人で、または家族や友人と共通の音楽を聴くことで、心にゆとりが出て人間本来の優しさを取り戻すことができます。
 私のお勧めはNHKのBSで放送されている「空港ピアノ」という番組です。日本だけでなく、アメリカ、欧州、オーストラリアなどの空港にピアノが設置されており、老若男女や年齢にかかわらず誰でも自由にピアノを弾くことができます。ピアノを始めた幼い子どもからクラシック音楽のプロの演奏家やバンドのピアニストなど飛行機の待ち時間などを利用して好きな楽曲を弾くことができます。演奏の終わりにピアノにまつわる思い出やピアノを弾きはじめた理由など一言感想を話してくれます。
 音楽は世界共通の言語です。自分の好きなジャンルの音楽を聴くことで、ストレスを解消し、リラックスすることができます。もちろん音楽だけでなく、その他の芸術やスポーツなど心身ともにリラックスし、明日への活力になるものがあれば幸いです。どんな状況に置かれても心の平静さを失わないような術(すべ)が必要になると、新コロは教えてくれています。「災い転じて福となす」という心がまえが必要な今日この頃です。

2020年05月24日