#265 カレーは悪くない!

 朝晩は涼しいのですが、日中はまだ25度前後の夏日が続いています。温暖化の影響でしょうか。昨年までは10月も中旬になると長袖に切り替えていましたが、今年は10月の下旬まで夏日が発生し、秋の気配が感じられません。このままでは夏の次にすぐ冬が来ることになりそうです。
 ところで前回のブログでも述べましたが、台風19号の影響がまだ続いています。災害規模が広範囲に渡り、東日本大震災に匹敵する、あるいはそれ以上の災害規模となっています。今週末は多くのボランティアが参加して災害後の被災地の片付けを手伝っています。ボランティアに参加できない場合は義援金などで被災された方々の生活支援に協力するなど、様々な支援を考えなけらばならないでしょう。「情けは人のためならず」と言います。明日は我が身です。
 さてこの1週間台風による大災害とともに毎日報道されていますのが、神戸市立東須磨小学校の教諭4人によるいじめ問題です。「いじめ」というよりも「犯罪」であり、教育の場でいじめ防止を子供たちに訴える教員が同僚をいじめていたことに呆れて言葉も出ません。事件の詳細はここで述べませんが、この事件に対する地元の教育員会の対応が物議を醸しています。その内容をネットから引用します。
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教員いじめでカレー給食中止に 神戸市教委「食材生かして煮物を作る」
 神戸市立東須磨小学校の「教員いじめ」で、その道具に使われたカレーを給食から一時的に中止すると市教委が発表し、ネット上でも波紋が広がっている。
 カレーショップからは、「カレーに罪はない」と疑問視する声が続出している。しかし、市教委では、「児童らが精神的ショックを受けているため」だとして、当面続ける考えだ。
 加害教員らが激辛カレーを被害教員に無理やり食べさせる様子の動画がテレビなどで繰り返し流れ、いじめ問題の深刻さが白日の下に晒された。その一方、神戸市教委では、この動画にショックを受けた児童がいるとして、2019年10月16日の保護者会で給食カレーの一時中止を発表し、ツイッター上などでは、この決定に疑問や批判の声が噴出している。
「何の罪もない子供たちが可哀そう」との声が相次ぎ、フラッシュバックで気分が悪くなる児童がいれば、個別のメニューで対応すればいいのではないかとの意見が出た。また、「いじめをマネする児童が出るのを恐れたのではないか」といった憶測も出て、むしろ、いじめたり食べ物を粗末にしたりしてはダメと教育するいい機会になるとの指摘もあった。
一方で、「応急処置的なもの」「カレー出さないは正解やろ」「何かあると困る」と、市教委の対応に理解を示す声も一部であった。 著名人からの反応も相次いでおり、様々な意見が書き込まれている。 アルピニストの野口健さんは「カレーは何も悪い事はしていないよね...」と疑問を呈し、吉村洋文大阪府知事は、「クビにすべきは、カレーじゃなくて、加害教員でしょ」とツイートした。
カレー店からも異論続々「カレーに罪はありません」
ライターで著名ツイッターユーザーの深爪さんは、「カレーを見ただけで具合が悪くなる児童も出てもおかしくないと考えれば、ある意味妥当な措置なのかな」などと市教委の対応に一定の理解を示した。
カレーショップからは、カレーへの風評被害などを懸念する声も次々にツイートされている。 静岡県沼津市にある「印度屋キッチン・ダバ下香貫店」は10月17日、「給食のカレーに罪はありません」と問題提起し、カレー料理の前でスタッフがお願いのように手を合わせる写真をアップした。この投稿は、大きな反響を呼び、10万件以上もの「いいね」が付いている。また、ほかのカレー店も続々呼びかけており、ツイッター上では、カレーを避けずに食べようと写真を投稿する動きが活発になっている。
神戸市教委の健康教育課は18日、給食について、東須磨小から相談が来て、時期を決めずに当面、カレーを変更することにしたとJ-CASTニュースの取材に答えた。変更の理由については、「詳細は、お答えしかねます」とした。
代替メニューとして、カレー粉は止めたうえで、肉やジャガイモ、ニンジンなどの食材を生かした煮物にするなど、味付けを変えるそうだ。
カレーを食べられない児童に個別対応することについては、「同じ釜を使って自校調理しており、メニューを分けるのは難しいです」と話した。給食のカレーを今後の教育に生かすことについては、「そういう声を聞いていませんので、学校から相談があれば考えたい」と言うに止まった。カレー一時中止についての意見は、18日昼過ぎ時点までは来ていないという。
(https://www.j-cast.com/2019/10/18370446.html?p=all)
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 上記の教育委員会の対応をどう考えるかは個人の問題ですが、少なくとも問題の本質(いじめの加害者よりもカレーが悪いという「論理のすり替え」)を教育委員会は理解していないということです。カレーが原因で食中毒が発生したということであれば理解できますが、「いじめ=カレー」では事の本質をとらえていません。
 昨日のNHKのニュースでは次のような記事がありました。
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 神戸市の公立小学校で起きた教諭間のいじめの問題を受けて、17日に開かれた市議会で、教育委員会はこの小学校で子どもどうしのいじめが急増していることを明らかにしました。教育委員会は「推測だが教員の人間関係が影響した可能性もある」として、対策を急ぐ考えを示しました。
 神戸市の市立東須磨小学校で、4人の教諭が同僚の男性教諭らに悪質ないじめを繰り返していた問題を受けて、市議会は17日、臨時の文教こども委員会を開きました。
 この中で、教育委員会の住谷照雄次長は、東須磨小学校での子どもどうしのいじめの認知件数が2年前の平成29年度は0件だったのが、昨年度は13件、さらに今年度は半年間で16件と急増していることを明らかにしました。
 そのうえで、住谷次長は「推測だが教員の関係がぎくしゃくし、子どもにも影響した可能性もある」と述べ、いじめ対策を急ぐ考えを示しました。
 また、17日の委員会では被害者の男性教諭が、去年、前の校長と面談した際、「おまえはいじめられてないんやな」と念を押されたと訴えていることなどを踏まえ、前の校長らを参考人として招致する方向で検討することになりました。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191018/k10012137221000.html)
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 上記の記事がフェイクでないとすれば、この事件の影響が当該小学校の児童たちに悪影響を与えているのでしょうか。教員間のいじめはこの学校だけではないと思います。表面に出てこない事例が数多く存在することでしょう。
 子どもたちと直接接することが仕事の教員が襟を正して生きることが今までの時代以上に要求されている昨今です。教職に携わる人たちはもう一度自分の生き方をふり返る必要があります。

2019年10月20日