#151 怒れ、日本人大学生!

 正月松の内も明けないうちに、日本政府にひと言苦言を呈したいと思います。ある確かな情報筋の話です。現在海外から多くの留学生が日本国内の様々な大学で学んでいますが、その多くの学生が奨学金の返還を必要としない「給付型奨学金」を貰って生活しています。問題はこの給付型奨学金の配布方法です。
 その情報筋は現在ある国立大学に所属する人物で、その人物の話によると中国や韓国など近隣国の優秀な学生はアメリカやヨーロッパに留学をするそうです。この国や地域に留学できない能力不足の学生もしくは海外旅行気分で留学したい学生が日本にやって来るそうです。そのような能力不足の留学生にたいして政府は給付型の奨学金を与えています。日本人の学生は苦労して「貸与型奨学金(いわゆる奨学金ローン)」を貰い、卒業後に苦労して何百万円も返金しなければなりません。なかには奨学金ローンで水商売をする女子学生もいると聞きます。
 別の問題はその留学生の多くに勉学の意欲がない、ということです。情報筋によりますと、長期休暇になると奨学金を利用して日本国内を旅行して回り、休暇中の研修やセミナーには参加しない、とのことです。また授業出席率の悪い生徒や成績が振るわない学生に対して注意や叱責すると、学校に登校しないようになった、との報告を受けています。このような留学生の状態を文科省に報告すると、文科省の役人たちは問題は留学生にあるではなく大学の対応にあると、大学側を厳しく非難するそうです。不良留学生を注意するのは大学側の責任ですが、文科省の連中はその現状を認識しようとしません。また留学生数の実績を残さない大学に対して文科省は次年度の予算を減らすそうです。そこで大学は仕方なく留学生に対してお客様扱いで現在対応しているとのことです。
 この話を聞いて皆さんはどう思われますか?日本にいる留学生が全員このような状態ではないでしょうが、全ての留学生に対して一律に給付型奨学金を支給するには問題があります。むしろ優秀な日本人大学生に給付型奨学金を支給すべきではないでしょうか。確かに以前は日本育英奨学金(現在の日本学生支援機構)において、支給型と貸与型の奨学金があり、私は4年間貸与型奨学金を貰っていました。大学卒業後に教職についたために、奨学金返還の免除が適応され、大いに助かりました。
 日本政府は現在、大学生の奨学金制度を改善しようとする動きがありますが、あまりにも行動が遅すぎます。このことはODA(政府開発援助)にも言えます。必要な国や地域に援助をするのは当然ですが、必要でない国に対しても援助する傾向があります。例えば世界第2位になった中国に対して、つい最近までODAの支援を行っていました。中国が現在の地位に上り得たのは日本政府によるODA支援のおかげです。中国の国民はそのことを全く知りません。中国政府が自国民に対してODAによる日本からの援助を伝えていないからです。おまけに中国政府は自国が経済大国になったにもかかわらず、まだ発展途上国だと主張して、この主張に応じて日本政府は多額の援助をおこなってきました。中国の宇宙開発は日本政府によるODAのおかげです。
 人にも、国にも言えることですが、他人を意識して外面の良い者は身内に対して厳しい一面を持っています。確かに貧しい国や地域に対しての経済援助は必要でしょう。しかしながら日本国内にも貧困で苦しんでいる多くの人がいることを忘れてはなりません。1970年代、80年代のような「一億総中流時代」はすでに終わったのです。「勝ち組、負け組」の言葉に見られるように、日本国内でも経済格差がますます拡大し続けています。日本社会をこれから支えていくのは若い世代です。彼らが勉学に打ち込むことができるように、奨学金制度の速やかな改革を望みます。

2018年01月07日