#576 なぜ、福岡

 今日は二月最後の日曜日ですが、本日の天皇誕生日を挟む三連休は寒波に襲われ、全国各地で大雪が予想されています。確かに三月の足音が聞こえ、日差しが日ごとに明るく強くなってきていますが、雪まじりの寒風が今日もまだ吹き荒れ、真冬のような寒さが続いています。
 さて、昨日用事で福岡に行ってきましたが、行くたびにスーツケースを持った観光客の姿が目につきます。韓国人や中国人だけでなく、欧米の観光客も最近目立ってきました。福岡市は九州の玄関だけでなくアジアへの玄関口として国内外に知られていますが、海外からの観光客にはそれだけでない理由があるようです。福岡市に関する面白い記事がありましたので、今日はそれを紹介します。
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『なぜ欧米系の旅行者の多くが「福岡」から日本旅行を始めるのか? 
                   地元タクシー運転手が明かした納得の理由』
 2024年はインバウンド客数と消費金額が過去最大となった。いまも日本各地の観光地では多くの外国人旅行客の姿を見かける。東京・大阪・京都・広島など、旅行客に人気の都市は多いが、日本旅行を楽しむ欧米系の観光客の中には、その起点を「福岡」にするケースも多いのだという。いったいどういうことか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、福岡のタクシー運転手から聞いた話をもとに考察する。
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 先日、福岡空港までタクシーに乗る機会があり、運転手と約1時間喋ったのですが、最近、かなり多くの欧米系の観光客が“福岡から日本入り”していると教えてくれました。彼によると、福岡のグルメが欧米でも知られるようになり、まずはそれ目当てにやって来ていると言います。

 人気の食べ物はラーメン、もつ鍋、透き通ったイカの刺身、焼き鳥だそうです。あとは中洲の屋台に行く人も多いそう。もちろん日本全国どこでもおいしいものはあるでしょうが、なぜ福岡なのかといえば、「地の利」が影響している面もあるようです。日本旅行の起点を福岡にすることで、効率よく各地を回ることができるのです。運転手から聞いた旅行者たちのモデルケースを紹介します。

 欧米の観光客が好んで行くのが博多駅から約30km離れた糸島です。海岸沿いの風光明媚さから移住者も増加しており、イギリスの情報誌「MONOCLE」の「世界で最も魅力的な小都市」2021年版で世界3位になったほどです。博多で過ごした翌日は電車で約40分かけて糸島へ。その日、博多に戻ってからが日本旅行の本番となります。

 もう一泊博多グルメを楽しんだ翌日は新幹線で広島へ。JR博多駅が山陽新幹線の始発駅であるため、あとは新幹線で広島→大阪→京都→東京と、外国人旅行客に人気の都市に足を運びやすいわけですね。この時使うのは、外国人しか買えない「ジャパン・レール・パス」。価格によって利用できる日数は異なりますが、たとえば7日間新幹線(のぞみ・みずほに乗る場合は別途チケットが必要)と特急を含むJR6社の路線の普通車が乗り放題でわずか5万円! 以前より高くなったとはいえ、かなりお得なことは間違いない。いまや外国人のほうが日本人よりはるかに金持ちなのにコレ、まだ必要ですか……?

<札幌ではなく福岡が選ばれる理由>
 それはさておき、福岡発にすると、その後の旅のプランが立てやすくなるんですよね。7日間有効のパスであれば、京都と東京の間で名古屋か金沢・富山泊も考慮に入れられます。となれば、東京へ向かう日、名古屋泊であれば浜松で下車して鰻を食べたり、金沢・富山泊であれば長野・松本にも寄ることができる。

 東京に着く頃にはジャパン・レール・パスの7日間の有効期限が切れるかもしれませんが、あとは東京と周辺県を楽しめばいい。母国に帰るにあたっては、羽田空港か成田空港を使えばいいのです。

「端っこからがいいのなら、札幌でもいいんじゃないですか?」と運転手に聞いたら、札幌には新幹線がないため福岡が選ばれると言っていました。新幹線始発の新函館北斗駅までは札幌駅から特急で3時間30分以上。これがネックとなるほか、そこから先の東北・北関東に広島・大阪・京都に匹敵する、メジャーな観光地が少なく、あったとしてもアクセスがよくないのだとか。

 福岡が日本旅行の起点に選ばれるのには、もう一つ大きな理由があります。韓国の仁川空港が東アジアのハブ空港になっているため、欧米からの多くの飛行機が仁川に着きます。そこから福岡空港は1時間20分ほど。私も経験あるのですが、直行便にするよりも仁川経由にしたほうが飛行機のチケット代が安くなることも多いんですよ。もちろん欧米各国から「福岡直行便」の数が多いわけでもない。そして福岡に行くのであれば成田や羽田経由よりも仁川経由の方が利便性が高い。

 あとは温泉ブームと焼酎ブームもあり、福岡発で九州の各県を周るプランも人気だそうです。長崎新幹線も開通したので、九州旅行の選択肢も各段に広がりました。そうしたことから欧米系の観光客は福岡を目指すのだそうです。タクシー運転手の話は示唆に富んでいて、そこからインバウンドビジネスのヒントなんかも見つかるかもしれませんね。
https://www.moneypost.jp/1244131
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 上記にあるように最近では福岡市よりも糸島に人気が集まっています。福岡市から近く海や山に囲まれた立地条件が好まれているのでしょう。糸島だけでなく福岡県内や周辺には観光地として知られている場所がたくさんあります。最近の海外旅行者は東京や京都などの観光地だけでなく、文化体験として日本各地を訪れる傾向が出てきています。
 偏った場所へのインバウンドではなく、本当の日本及び日本人を知ってもらうために、日本各地を訪れることは大いに賛成します。日本全体がインバウンドで潤うからです。今後もしばらくの間日本人気は続くでしょうが、その人気が継続するためには日本全体で努力しなければなりません。そうしないと人気に陰りが見え始めて対策を取れば遅すぎるからです。
 円安や物価高など国内には様々な問題が山積していますが、それらをうまく活用することでインバウンドをさらに利用することができます。。ただしオーバーツーリズムを咲ける対策は必要です。政府だけでなく私達国民も海外の観光客と日本がWIN-WINの関係が成り立つように様々な工夫をすべきでしょう。

2025年02月23日