#508 神様、健在!

 11月も中旬となり、さすがに晩秋らしくなってきました。今日の最高気温は15度、明日は13度の予想が出ています。晩秋というよりも初冬の気温になります。先日まで最高気温が20度を超える日が続いていたので、一気に5度以上気温が低下することになります。徐々に気温が下がる分には体が慣れてきますので問題はありませんが、急に低下しますと体が慣れていないので、様々な不調を訴える人が増えてきます。気圧の急激な変化もそうですが、気温の急な低下や上昇にも健康が阻害されることになりますので、体調管理には十分気を付けたいところです。
 今日は神様の話です。神様と言っても、宗教の神様ではありません。「フォークの神様」と呼ばれているミュージシャン「岡林信康」のことです。彼は今年77歳になます。彼は今年デビュー55周年を迎え、昨日新宮町でコンサートがあり、大牟田から「そぴあしんぐう 大ホール」まではるばる出かけていきました。
 福岡市に住んでいた頃はコンサートホールまで「自転車」で出かけていましたが、どこの会場にも30分ほどで行けました。今は大牟田市から福岡市まで行くのに西鉄電車で1時間かかります。そこからサンパレスまでは歩いて30分ほどかかります。(バスの待ち時間を考慮すると、バスで行くより歩く方が早いのです。)今回の新宮町までは博多駅から新宮中央駅まで20分ほどかかり、移動時間などを含め全部で片道2時間ほどかかりました。一日がかりの大仕事になりました。
 さて、休憩時間を含め2時間のステージでしたが、フォークの神様も、さすがに寄る年波には勝てず、高齢の歌手がいかにすばらしい歌声を維持するのが難しいかを目の当たりに見せつけられました。彼の若い頃には高音に伸びがあり、美しい声でしたが、往年の歌手が辿る運命のように、今は話しぶりも老人の口調で、声の衰えが目立ちます。それでも「神様」らしく、素晴らしい歌声を披露していました。会場には同世代の聴衆が集い、一見すると高齢者の集会のような雰囲気でした(笑)。彼の年齢を考慮すると最後のコンサートツアーかも知れないことを昨日の聴衆は理解していたのでしょうか。会場はほぼ満席で1曲ごとに拍手喝采を送っていました。
 彼はフォークソング第1世代の代表者です。往年のミュージシャンらしく、ステージパフォーマンスは素晴らしく、芸歴55年のミュージシャンの重みを感じさせるライブでした。彼がいなければメッセージ性の強い「関西フォーク」の進化はなかったでしょう。この関西フォークには「帰ってきたヨッパライ」で有名なフォーク・クレセダーズ、高石ともや、吉田拓郎、5つの赤い風船、ジローズなどが含まれます。私が小学生の頃から親しんできたミュージシャンもいつの間にか年を取り、青春時代に聞いていた歌も今では「懐メロ」扱いとなっています。
 それでも、あの頃聞いていた、口ずさんでいた歌は今でも自分の愛唱歌ですし、聞いたり、歌ったりすることで、あの頃の思い出が鮮やかによみがえって来ます。多くのミュージシャンがすでに70歳を超え、谷村新司のように他界したミュージシャンも多く、チューリックのようにすでに解散したバンドも多くありますが、音楽ファンにいつまでも在りし日の姿を見せてもらいたいものです。

2023年11月12日