#539 情報格差

 最高気温30度近い夏日が毎日続いています。まだ梅雨入りしていないのに、まるで梅雨明けしたかのような天気です。一方、梅雨入りしている沖縄・奄美地方では毎日大雨が続いており、平年ですと23日前後が梅雨明けとなりますので、例年ですとあと1種間ほどで沖縄に夏がやってきます。
 さて、本日のテーマは「情報格差」を取り上げています。情報格差とは次のように定義しています。
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情報格差(じょうほうかくさ)またはデジタル・デバイド(英: digital divide)とは、インターネット等の情報通信技術(ICT)を利用できる者と利用できない者との間にもたらされる格差のこと。国内の都市と地方などの地域間の格差を指す地域間デジタル・デバイド、身体的・社会的条件から情報通信技術(ICT) を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる格差を指す個人間・集団間デジタル・デバイド、インターネット等の利用可能性から国際間に生じる国際間デジタル・デバイドがある。特に情報技術を使えていない、あるいは取り入れられる情報量が少ない人々または放送・通信のサービスを(都市部と同水準で)受けられない地域・集団を指して情報弱者と呼ぶ場合も。(ウィキペディアより)
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 私は仕事の準備や作業をしながらテレビのニュースを見ることが多いのですが、NHKを含め、海外ニュースを見るときに困ったことが起きます。海外ニュースを音声翻訳している場合は問題ないのですが、字幕付きのニュースですと、テレビ画面を見ていないと何が話されているのか全く分からなくなります。英語のニュースであれば何とか理解できますが、英語以外のニュースではテレビ画面を見なければ(字幕を見なければ)状況が全く理解できなくなるのです。
 同じ状況が視力障碍者の方にも言えると思います。目が不自由な方は音声としてニュースを理解しますが、放送が外国語となると内容が理解できなくなります。このような状況を放送局(情報提供者)がどれほど理解しているか分かりませんが。情報提供者(健常者)が理解しにくい障害のひとつと言えます。障碍者の立場として何が障害となっているかを考慮しませんと、情報提供側と受け取る側に様々な齟齬が生じます。ニュースの字幕にしても、聴覚障碍者には役立ちますが、視覚障碍者にとっては少しも役立ちません。
 障碍者と一口に言いましても様々な障害があります。視覚、聴覚、味覚などの感覚が正常でない場合。また体の部位が動かないなど身体的な障害がある場合。心理的または精神的な障害がある場合など、その障害は様々です。特に今回言いたいことは、想像力を持って少し考えれば理解できることを、当然のこととして無視する、あるいは考えようとしないことが問題です。情報提供者はあくまでも「健常者」です。その「健常者」が自分が提供する情報を障害を持つ人がどのような立場で受け取っているかを考えませんと、一方的な情報提供となり、その情報を必要としている人に届きません。
 またこの問題は災害などの緊急放送にも言えます。緊急放送では障碍者だけでなく、日本語を理解できない外人や海外からの観光客を含みます。NHKなどでは災害時にサブチャンネルで外国語の同時通訳を始めていますが、平時でも様々な情報を提供するなど、より細かなサービスが必要です。昨今のAI技術を利用すれば簡単に字幕や音声による情報提供は実現できます。これが本当の「おもてなし」の精神となります。今日は情報格差について述べましたが、よりよい社会をつくるために、できることから始めることが大切です。

2024年06月16日