#195 真の意味?

 昨日と本日は秋雨前線の影響で最高気温が25度を下回り、先週の真夏のような天気とは真逆にすっかり秋らしい天気となっています。このまま本当の秋になってもらいたいのですが、まだまだ残暑が続く予報が出ています。また先日の台風21号や北海道の地震で亡くなられた方々に心より哀悼の意を表しますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。また日本に近づく台風22号の今後の動きにも注視したいと思います。
 さて日本が中国から漢字を取り入れて2000年近い時間が経ちます。その間に日本でも様々な漢字が作られています。例えば「峠」は日本人が発明した漢字です。このように日本社会では漢字を使用しないでは生活できないほどに漢字の存在が日常生活の奥深く入り込んでいます。また日本人が使う文字も多種多彩で、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字など日本語学習に取り組んでいる外国人を悩ませています。私たち

”ネイティブ日本人”も日本語の表記には困惑することが多々ありますので、外国人にとっては確かに不可解な言語と思われるでしょう。
 ところで、私たちが頻繁に使用している漢字の中に「真」があります。「しん」や「まこと」と読みますが、元来どのような意味なのかご存知でしょうか。この「真」を明確に説明しているサイトを偶然見つけましたので、ここに引用します。(https://www.epochtimes.jp/2018/09/36014.html)

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 日本人の名前にも「真」の字は男女問わず多く使われており、とても身近に感じる漢字ですが、古代にこの漢字に込められた本当の意味とは何でしょうか。生まれたばかりの赤ちゃんの命名にお悩み中のお父さん、お母さん、気になる異性の名前の意味をひも解きたいお年頃のみなさん、ぜひご参考ください。
今回は第一回目なので、古代の漢字の成り立ちからご紹介します。
【漢字の成り立ち】
 黄帝(こうてい)が治世した時(紀元前2500年ごろ)蒼頡(そうけつ)という史官がいた。彼は、古代から伝わる縄を結んで事を記述する方法で、史実を記した。しかし、時間が経つと、結び目を付けた縄がたまり、何を記録しているのか分からなくなるという問題があった。ある日、彼が狩りに出かけると、三叉路で同行の年寄りたちが言い争いを始めた。ある老人は、その先にカモシカがいるから東へ行こうと言い、もう一人の老人は、その先遠くないところに鹿の群がいるから北へ行くと言う。更に別の老人は西へ行くべきで、その先に2頭のトラがいるからと言い張った。
 蒼頡がそれぞれに根拠を尋ねてみると、皆は地面に残っている野獣の足跡を見て判断したのだと言う。その時、彼は一瞬ひらめいて喜んだ。「一種類の足跡が一種類の野獣を表すことができるのならば、私も符号を使って記録したいものを表現できるではないか」。彼はすぐに走って家に戻り、物事を記述する符号の作成に取り掛かった。人に邪魔されないように、彼は閉じ籠って一心に様々な符号を作り始め、それらを「字」と名付けた。
 最初に造った字は、すべて事物の形態を真似て描いたものだった。例えば「日」は丸い太陽を真似て描いたもので、「月」は夕月の形をなぞったものであり、「人」は人間の側面を、「爪」は鳥獣の爪の形を観察して描いた。彼はこのように細かく万事万物を観察し、大変な苦労を経て様々な字を造り上げた。黄帝はこれを知って大いに蒼頡を賞賛し、各部落に行ってこれらの符号の使い方を教えるよう命じた。こうして、彼が造った字は広く使われるようになった。

【漢字の意味を説明する書「説文解字」】
 中国の漢の時代の許慎(きょしん)が、漢字の成り立ちやその本義を部首ごとにまとめた書を「説文解字(せつもんかいじ)」という。第一回「毎週一字」でご紹介する漢字「真」について、「説文解字」には以下のように書かれている。
 真,漢代許慎《說文解字》曰:仙人變形而登天也,此乃真之本義。
さて、中国語が分かる人も分からない人も、古代に「真」に込められた本当の意味を悟ることができますか。
【「真」の意味】
 漢字の「真」は、上部の「十」と、真中の「目」という文字から成る。「十」は、仏教でいうところの「十方世界(宇宙には十次元、またはそれ以上の異なる次元が存在するという考え方)」を意味し、その下に「目」があることから、全ての次元を見通す「佛の目」を表す。古代中国では、神や佛、仙人などの人間より高い次元に住む生命のみが、真実を見通す力があると信じられていた。彼らは肉体を持たず、自由自在であり、何によっても束縛されないからである。一方、人間は己の主観思想に限定され、人間の肉体が知覚する感覚によって、気分も考えも翻弄されてしまう。
 「真」はまた、中国古代から伝わる道教で非常に重んじられている。道教では、教えに従って修練を積み、「真」を求め、「真人」になることを目指す。真人は、どのような概念、観念、感覚からも解放され、自由自在である。真人の心は完全に「無」であり、だからこそこの世のいかなる要素からも束縛されないのである。
「真」と対象的なのが中国語の「假(うそ)」や日本でもお馴染みの「偽」である。この二つの文字に共通するのは人偏である。嘘、偽りなどは、人間の心から生まれると古代から信じられてきたからである。
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 私たちが何気なく使用している感じですが、「真」の文字だけでもこのような深い意味が込められているのですね。漢字の持つ奥深さを改めて感じますとともに、漢字を生み出した古代中国に敬意を表します。NHKの人気番組「日本人のおなまえっ!」に変った名前が出てきますが、皆さんのお名前にどのような漢字が使われており、それがどのような意味を持っているのか調べると面白い発見があるかもしれません。

2018年09月09日