#209 平成最後の師走

 月日の経つのは早いもので、もう師走を迎えました。あとひと月で新年を迎えます。今年の師走は平成最後の師走になります。平成時代の師走はもう二度とやって来ません。来年の師走は新しい元号の師走になり、新しい時代が始まります。
 さて平成30年間という年月は皆様にとって、どのような時代だったでしょうか。英語では1世代を30年と規定しています。子どもが生まれ、その子供が成人し家庭を持ち、次の子どもが生まれる間の年月です。確かに30年という時間は長いようで、過ぎ去ればあっという間の短い時間でもあります。
 個人的にはこの30年の間にオーストラリアへ3年間留学したり、妹や両親が他界したり、様々な出会いと別れを繰り返した期間でもあります。また最大の出来事は無料学習塾ニコラを4年前に開塾したことです。
 翻って国際的にはベルリンの壁崩壊後のドイツ連邦の復活や、ソ連の消滅によるロシアの復活、多くの戦争や数えきれないほどの大きな自然災害の発生など、この30年の間に世界情勢が目まぐるしく変化していきました。
 今でも昭和の終わりから平成の始まりの特異な瞬間を覚えています。昭和天皇が崩御された1月7日は静かな朝で始まった記憶があります。街中を歩きましても、不思議に静かな空間に満たされ、国中が喪に服した一日を体験しました。それと同時に新しい元号「平成」がテレビ画面で発表されて、新しい時代への期待と一抹の不安が心の中で交差したことを覚えています。
 この平成の30年間は昭和の時代と異なり、物心両面で様々な変化が起こりました。昭和には存在しなかったインターネットの普及、ケータイからスマホへの劇的な変化、IT革命、オレオレ詐欺やネット詐欺を始めとする詐欺犯罪の拡大など、昭和では考えられなかったような技術革新における進歩や、それに関連する犯罪の深刻化があげられます。
 また昭和時代の後半から平成を通じて国内で深刻な問題のひとつが核家族の増加と、それに伴う引きこもりやニートなどの様々な家庭問題の出現が挙げられます。このことは一般家庭だけでなく、皇室にも及んでます。皇太子妃の環境不適応や最近では秋篠宮家の結婚問題など、平成時代は明らかに家族と個人の問題が深刻化した時代だったと思います。
 さて来年は4月30日で平成が終了し、5月1日から新元号となります。新時代がどのような時代になるか予想がつきませんが、平成時代以上に科学技術が進む一方で、人の心がどのように移ろい行くかが大きな課題となるでしょう。今月は各地で新年を迎える様々な行事が控えています。平成最後の師走を心ゆくまで楽しみたいと思います。

2018年12月02日