#227 THANK YOU, ICHIRO

 今日は3月31日、平成最後の3月末日となりました。昼間は所用で福岡まで行ってきましたが、電車の車窓から見る景色はどこも桜が満開で、線路の近くの公園では多くの人が花見をしている光景が広がっていました。また菜の花も咲き誇り、桜花との見事な色彩のコントラストを示していました。
 今日のブログは前回に続き、イチロー選手の話題です。3日ほど前にシアトルマリナーズの地元の新聞社シアトルタイムズに粋な全面広告が話題になりました。イチロー選手の同僚のマリナーズのディー・ゴードン内野手が米国での開幕戦を迎えた28日、“師”と仰ぐイチロー外野手への感謝を綴った広告を掲載しました。メジャーでは、移籍した選手が古巣へのメッセージを全面広告で伝えるケースは少なくありませんが、引退したプレーヤーに同僚が惜別の思いを綴るのは異例だそうです。
 英文はネットで検索できますが、日本語訳は掲載されていないようなので、拙訳してみました。ゴードン選手の気持ちが伝われば幸いです。

-----------------
THANK YOU, ICHIRO

親愛なるイチローへ
まず最初に、僕への偉大な友人として、そして今日まで僕の大好きな選手としていてくれたことに感謝を言いたいと思います。
君のおかげで僕は野球が好きになりました。僕は子どもの時エイボンパークにいた頃、君に心酔していました。僕が生まれる前に世に出回ったテレビゲームで人々は君の名前にちなんでプレーヤーを名付けました。
 それから2012年がやってきました。シアトルでドジャーズが君たち選手と対戦していました。僕はショートの守備位置で君のすべてのプレーを見ていました。そしてついに君の(日米)ヒット合計数を数えることになりました。実は君の守備よりも君がヒットを打つことにもっと注意を払っていました。(ドジャーズごめんなさい。でもそれがイチローなのです!)
 翌日僕が君に打撃について聞こうとする前に、君はヤンキースにトレードされました。
僕はそれで打ちひしがれましたが、2015年がやってきました。僕がマイアミ・マーリンズにトレードされて数日後に君がマイアミと契約しました!
 そこで僕は飛び上がり、親友に叫びました。「イチローと一緒にプレーすることになったんだ!冗談だろうって?とんでもない!」僕は君がボールを打ったり走ったりするのを見ることができるように、ロジャー・ディーン・スタジアムへ行ったことを覚えています。球場へ到着し、僕が緊張して君の所へ歩いて行ったとき、君は僕にとても親切にしてくれました。君は僕にできることは何でも手助けする、と言ってくれました。そのことが僕をとても感動させたと断言できます。今日まで僕は次のように言っています。「僕がイチローとプレーする?どうやって?僕はエイボンパーク出身さ!」
 この数年間君がどれほど僕を助けてくれたか、人々は知りません。イチロー、僕たちはよい時も悪い時も、浮き沈みを経験してきました。しかし、君の友情はけっして揺るぎません。君はいつも僕のそばを離れなかったし、助けてくれました。僕が不当に扱われたら、そのことで君が非難されても、君はいつもそばにいてくれました。
 ツイートやインスタグラムはこの場合ふさわしくないと思ます。だからふさわしい方法で君への感謝を示したかったし、どのくらい君に感謝しているか言いたかったのです。君の友情や指導なしには、(君の秘密は決して言わないけれど)ディー・ゴードンという名前の首位打者はいなかったでしょう。
 兄貴、愛しているぜ!君はずっと僕の人生の一部だ。君が引退後の生活を楽しむことを期待しています。僕はきっと頼れる君がいなくてさみしく思うから、オフの日には僕と一緒にボールを打とう。

愛弟子、デバリスより
---------------------

 イチロー選手を師と仰ぐゴードン選手の熱い想いが伝わってきます。またメジャーリーグの多くの選手からイチロー選手を称える声が聞こえてきます。イチロー選手は日本だけでなく、野球本場のアメリカからも偉大な選手と称賛されています。野球道を極めた選手に贈られる最高の賛辞です。イチロー選手は日本人の誇りでもあり、日本人の一人として喝采を挙げたいと思います。
 さて、明日は新元号が発表されます。どのような元号になるのか楽しみです。従来通り中国古典から引用されるのか、あるいは日本の古典から引用されるのか、日本中で興味深い話題になっています。

2019年03月31日