#566 今年もサンタ

 12月も中旬となり、街や広場はクリスマス一色に染まっています。歳末商戦も相まって年末に向かって賑やかな雰囲気が漂っています。あと10日ほどでクリスマスになりますが、子どもたちはクリスマスプレゼントを楽しみにしていることでしょう。
 しかし経済的に厳しい家庭の子どもたちもいます。その子どもたちは果たしてクリスマスプレゼントをもらえるでしょうか。そのような環境にいるこどもたちに何かのプレゼントを贈るために、多くのボランティア団体が慈善活動をおこなっています。私は2年前からブックサンタに参加していますが、今年もブックサンタになりました。(昨年はすっかり忘れていました(笑)。)ブックサンタについては、このブログの#462でも紹介しましたが、西日本新聞12月12日の新聞に関連記事がありましたので、本日はこの記事を紹介します。
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『福岡出身の男性が始めた「ブックサンタ」過去最多に、きっかけはある母親の言葉』
 厳しい境遇の子どもにクリスマスプレゼントで本を贈る「ブックサンタ」の活動が拡大し続けている。8年目の今年、参加書店は過去最多の1868に達した。経営難にあえぐ「町の本屋さん」の応援手段としても注目を集める。「あなたも本屋でサンタクロースになりませんか」。主宰するNPO法人「チャリティーサンタ」(東京)の清輔夏輝代表(40)=福岡県飯塚市出身=は協力を呼びかけている。
 ブックサンタは2017年、誰もが取り組める社会貢献として始まった。参加書店で贈りたい本を選び、支払時に「ブックサンタでお願いします」と一声かければ、18歳までの子どもに届く。1冊から可能で、絵本や図鑑、小説など本のジャンルや価格は問わない。
 25日のクリスマス前後に、ボランティアの大人たちがサンタクロースに扮(ふん)し、申し込んだ家庭や児童福祉施設などに本を配る。直接届けられない場合は、サンタの手紙が添えられる。
 清輔さんは08年から、保護者からプレゼントを預かり、サンタの格好で子どもに贈る取り組みをしていた。活動の中である母親が「プレゼントを準備できないから、クリスマスなんてない方がいい」と漏らした言葉にショックを受け、書店業界の関係者と話し合いブックサンタを発案した。
 1年目に贈った本は約800冊。当初の活動は関東地方が中心で、協賛企業も少なく資金不足に直面した。自分がかつて感動した本などを贈れるのが徐々に人気を呼び、広く知られるように。昨年は13万冊を集め、17年以降の累計では27万冊を届けた。参加書店は47都道府県に行き渡り、寄贈先も一般家庭のほか、300以上の団体に広がった。人口減やインターネットの普及で経営環境が厳しい書店の売り上げ増にも貢献しているという。
 今年、新たに参加した書店は約300。その一つが、創業147年を誇る飯塚市の元野木書店だ。社長の元野木正比古さん(42)が2月、清輔さんの講演を聴き「子どもたちを笑顔にする素敵な取り組みを地元で広めたい」と加わった。元野木書店は清輔さんが高校時代にアルバイトをした店。「不思議な縁で感慨深い」と清輔さんは話す。
 家庭環境から、家族旅行など学校外の経験を巡る子どもたちの「体験格差」が社会問題となっている。清輔さんは、クリスマスという行事は社会的認知度が高く、経済格差が表れやすいと指摘。「本は子どもに喜ばれるし、贈りたい大人も多い。子どもたちのために大人が手を取り合う社会を本気で築いていきたい」と話している。
 参加書店一覧は「ブックサンタ」の公式サイトに掲載。同サイトのオンライン書店からでも寄贈できる。今年の受け付けは25日まで。
(西日本新聞12月12日、21頁より)
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 今年のブックサンタとして私は幼い子どもたちに絵本を送ることにしました。「はらぺこあおむし」、「グリとグラ」「100万回生きたねこ」、「火の鳥 いのちの物語」など数冊をブックサンタに寄贈しました。どのような子どもたちに届くのでしょうか。クリスマスの夜に楽しんでいただければ幸いです。
スマホに一日中埋没している子どもや大人も、このクリスマスの時期に今一度紙の本に接し、想像力を働かせながら読書してもらいたいものです。読書は人生を豊かにします。そして良い思い出を作ることができます。あなたは今年のクリスマスにどのような本に出会いますか。本との出会いは人との出会いに似ています。人生を豊かにする良い本に巡り合いましょう。

追記:
ブックサンタに参加している書店はネットで調べることができます。関心がある方は「ブックサンタ」で検索すれば、お住いの地域の書店が確認できます。

2024年12月15日