#551 パラリンピック

 パリオリンピックに続いて、現在夏季パラリンピックが8月28日から本日(9月8日)まで行われています。多くの日本人選手が様々な競技で活躍し、日頃の猛練習の成果が出ています。選手だけでなく、選手を支える家族や所属協会の支援もこれまで以上に増えています。国もTeam Japan としてパラリンピック全体を応援しています。
 さて、4年ごとにオリンピックに引き続き開催されるパラリンピックですが、パラサポWEBによりますと次のような説明をしています。
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『パラリンピック』
< パラリンピックとは>
 パラリンピックは世界最高峰の障がい者スポーツ大会で、トップアスリートが高いパフォーマンスを競う世界的なイベントです。オリンピックと同じく、夏季・冬季大会がそれぞれ4年に一度、オリンピックの終了後に同じ場所で開催されます。今や、オリンピック、サッカーワールドカップに次ぐ、世界で3番目に大きなスポーツイベントと言われています。
 夏季大会は2024年のパリ大会(フランス)、2028年のロサンゼルス大会(アメリカ)、2032年のブリスベン大会(オーストラリア)、冬季大会は2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ(イタリア)での開催が決定しています。オーストラリアでの夏季大会の開催は、2000年のシドニー大会に続き2回目の開催となります。

<パラリンピックの名前の由来>
 「パラリンピック(Paralympic Games)」が正式名称になったのは、1988年のソウル大会から。現在はギリシャ語のパラ=Para(沿う、平行)+Olympic(オリンピック)とし、もう一つのオリンピックとして解釈されています。
 当初、「パラリンピック」は「オリンピック開催年にオリンピック開催国で行われる国際ストーク・マンデビル大会」=「Paraplegia(対まひ者)」の「Olympic」=「Paralympic」という発想から、東京大会の際に日本で名付けられた愛称であったが、1985年、IOCは国際調整委員会(ICC)がオリンピック年に開催する国際身体障がい者スポーツ大会を「Paralympics(パラリンピックス)」と名乗ることに同意。
 従来のパラリンピックという言葉は、対まひ者のオリンピックという意味であったことから、身体障がい者の国際大会になじまなかったため、現在の解釈へと変わりました。

<パラリンピックの意義>
様々な障がいのあるアスリートたちが創意工夫を凝らして限界に挑むパラリンピックは、多様性を認め、誰もが個性や能力を発揮し活躍できる公正な機会が与えられている場です。それは、共生社会を具現化するための重要なヒントが詰まっている大会であり、社会の中にあるバリアを減らしていくことの必要性や、発想の転換が必要であることにも気づかせてくれます。

<パラリンピックの歴史>
 パラリンピックの原点は、第二次世界大戦(1939~1945年)後にさかのぼります。戦争で負傷した兵士の治療と社会復帰を目的としたイギリス・ロンドン郊外のストーク・マンデビル病院の医師ルードヴィッヒ・グットマン卿により、1948年ロンドンオリンピックにあわせて、院内で16名の車いす患者によるアーチェリー大会を開催したことがはじまりとされています。
 1960年ローマオリンピックの同年に、ローマで行われた大会(第9回ストーク・マンデビル大会)を、後に第1回パラリンピックと位置づけ、1964年東京大会(第13回国際ストーク・マンデビル競技大会)が第2回パラリンピックとなりました。そして、2021年、東京で再びパラリンピックが開催されました。同一都市で夏季大会2回目の開催は、世界初のケースです。
https://www.parasapo.tokyo/paralympic
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 競技の中にはオリンピックでは実施されない「ボッチャ」や、「ブラインドフットボール」、「ボールゴール」などがあり、見ていて面白いものです。
 オリンピックでは標準記録を超えた選手が出場しますが、選手間の体格や運動能力等は考慮されません。一方、パラリンピックでは、障がいの程度に応じてクラス分けされますので、ある意味では平等に同じ能力の選手が競い合い、本人の努力に応じて結果がついてきます。
 しかし、残念ながらNHKを始め民放ではリアルタイムで競技を中継することが少なく、パラリンピックを応援する姿勢とは裏腹に、日本での放送局の関心の低さを如実に示しています。その理由の一つとして「金にならない」ということでしょう。放送局が率先してパラリンピックを放送し、国民に障がい者の努力を示すことで、障がいに対する認識を深めることができるでしょう。
 「障がい」は他人事ではないのです。健常者も事故や病気などでいつかは障がい者となりえます。パラリンピックで頑張っている人を手本にして、人生を振り返り、日々の充実した生活を送ることができます。「障がい」は「障害」ではなく、一つの特徴や個性として考えた方がよいと思います。健常者と障がい者が手を取り合って生活できるような環境作りがいっそう必要となります。そのためにはユニバーサルデザインやバリアフリーの考えをさらに進める必要があるでしょう。

2024年09月08日