#499 災害は忘れた頃にやって来る

 日中は30度を超える残暑の厳しい日々が続いていますが、それでも夜遅くには涼しい風が吹くようになりました。早朝には25度を下回る日も増えてきています。夜遅く耳を澄ましますと、秋の虫の音が聞こえてきます。虫の合唱とともに眠りにつく夜がやってきました。このようにして季節は少しづつ秋へ進んでいきます。
 ところで今年は関東大震災から100年目ということで、例年になくNHKを始めとする各放送局が震災や防災に関する特集番組を放送しています。特にNHKによるモノクロの記録映画をカラー化する特集番組を現在見ながらこのブログを書いていますが、その映像の鮮明さには驚かされます。100年前の都市の状況や震災直後の人物の表情までカラー化することで詳しい状況が分かります。当時の人々も現代の私たちも震災に遭った状況は変わりなく、いかに自分の命を救うかが最大の課題となります。
 ある研究者によると、当時の地震計から判断すると地震はマグニチュード7.9ではなく、M8.1+αでなかったかと推測しています。この大きさですと阪神大震災の30倍程度の大きさになるということです。いかに大きな地震が100年前に東京を襲ったかがわかります。
 ひるがえって早晩発生するといわれている南海・東南海地震ですが、この関東大震災を上回る大きな地震を研究者は予測しています。特に「判割れ」と言われる南海または東南海地震が時をまたいで連続して発生する場合は未曽有の大惨事となり、推定で32万人の死者が出ると推定されていますが、実際死傷者がどのくらいになるか誰も分かりません。地震予知学会が以前述懐していますが、現在の科学では地震予知というものは実際不可能です。地震雲なるものを地震予知として用いる地震学者もいますが、正確な地震予知はできていません。
 災害がいつ発生してもおかしくない状況を考えると、自分の命は自分で守らなくてはなりません。このことは今後発生すると予想されている南海・東南海地震、東海地震、首都直下地震だけでなく日本国内いたる所で発生する震度5以上の地震にも当てはまります。実際、私は2005年の福岡県西方沖地震(震度7)や熊本地震(震度7)を体験していますし、地震発生時の激しい揺れ(両地震とも私がいた場所では震度5+を記録)は体を動かし逃げるには難しい状況でした。まして震度6以上の揺れではまったく身動きのできない状況になると推測できます。
 2度の地震体験を通して言えることは、常に避難の準備をしておくことが大切です。3日間ほどの備蓄品や地震によるガラスや物が散乱した室内を歩くためのスリッパや靴などは必需品です。最悪の状況を考えて必要なものを常備しておくことが最善の方策です。「明日は我が身」です。災害に対して常に準備をしておくことで最小限度の被害に済ませることが可能です。いつ発生するか予知できない災害(特に地震)から身を守るために、何が必要かを今一度考える時期に来ています。

2023年09月03日