#14 サンタクロースはいるか?

 クリスマスが近づいてきました。クリスマスの意味については後日述べることにして、今日は世界で最も有名な社説を紹介します。下記のブログより引用しています。かなりの長文ですが、お読みください。
http://blogs.yahoo.co.jp/porche964_rs/20440344.html

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1897年9月21日 ニューヨーク・サン新聞「社説」より

ニューヨーク・サン新聞社に、このたび、次のような手紙が届きました。
さっそく、社説でとりあげて、 おへんじしたいと思います。

この手紙の差出人が、こんなにたいせつな質問をするほど、わたしたちを信頼してくださったことを記者一同、たいへんうれしく思っております。


きしゃさま
あたしは、八つです。 あたしの友だちに、「サンタクロースなんていないんだ。」っていっている子がいます。パパにきいてみたら、 「サンしんぶんに、といあわせてごらん。しんぶんしゃで、サンタクロースがいるというなら、そりゃもう、たしかにいるんだろうよ。」と、いいました。だから、おねがいです。おしえてください。サンタクロースって ほんとうにいるんですか?

バージニア=オハンロン
ニューヨーク市西九五丁目一一五番地


バージニア、おこたえします。サンタクロースなんていないんだという、あなたのお友だちは、まちがっています。きっと、その子の心には、いまはやりの、なんでもうたがってかかる、うたぐりやこんじょうというものがしみこんでいるのでしょう。うたぐりやは、目にみえるものしか信じません。うたぐりやは、心のせまい人たちです。心がせまいために、よくわからないことが、たくさんあるのです。それなのに、じぶんのわからないことは、みんなうそだときめているのです。
けれども、人間が頭で考えられることなんて、おとなのばあいでも、子どものばあいでも、もともとたいそうかぎられているものなんですよ。わたしたちのすんでいる、このかぎりなくひろい宇宙では、人間のちえは、一ぴきの虫のように、そう、それこそ、ありのように、ちいさいのです。そのひろく、またふかい世界をおしはかるには、世の中のことすべてをりかいし、すべてをしることのできるような、大きな、ふかいちえがひつようなのです。
そうです。バージニア。サンタクロースがいるというのは、けっしてうそではありません。この世の中に、愛や、人へのおもいやりや、まごころがあるのとおなじように、サンタクロースもたしかにいるのです。あなたにも、わかっているでしょう。世界にみちあふれている愛やまごころこそ、あなたのまいにちの生活を、うつくしく、たのしくしているものなのだということを。もしもサンタクロースがいなかったら、この世の中は、どんなにくらく、さびしいことでしょう! あなたのようにかわいらしい子どものいない世界が、かんがえられないのとおなじように、サンタクロースのいない世界なんて、そうぞうもできません。サンタクロースがいなければ、人生のくるしみをやわらげてくれる、子どもらしい信頼も、詩も、ロマンスも、なくなってしまうでしょうし、わたしたち人間のあじわうよろこびは、ただ目にみえるもの、手でさわるもの、かんじるものだけになってしまうでしょう。また、子どもじだいに世界にみちあふれている光も、きえてしまうことでしょう。

サンタクロースがいない、ですって!

サンタクロースが信じられないというのは、妖精が信じられないのとおなじです。 ためしに、クリスマス・イブに、パパにたのんでたんていをやとって、ニューヨークじゅうのえんとつをみはってもらったらどうでしょうか?ひょっとすると、サンタクロースを、つかまえることができるかもしれませんよ。しかし、たとい、えんとつからおりてくるサンタクロースのすがたがみえないとしても、それがなんのしょうこになるのです?サンタクロースをみた人は、いません。けれども、それは、サンタクロースがいないというしょうめいにはならないのです。この世界でいちばんたしかなこと、それは、子どもの目にも、おとなの目にも、みえないものなのですから。バージニア、あなたは、妖精がしばふでおどっているのを、みたことがありますか?もちろん、ないでしょう。だからといって、妖精なんて、ありもしないでたらめだなんてことにはなりません。
この世の中にあるみえないもの、みることができないものが、なにからなにまで、人があたまのなかでつくりだし、そうぞうしたものだなどということは、けっしてないのです。
あかちゃんのがらがらをぶんかいして、どうして音がでるのか、なかのしくみをしらべることはできます。けれども、目にみえない世界をおおいかくしているまくは、どんな力のつよい人にも、いいえ、世界じゅうの力もちがよってたかっても、ひきさくことはできません。ただ、信頼と想像力と詩と愛とロマンスだけが、そのカーテンをいっときひきのけて、まくのむこうの、たとえようもなくうつくしく、かがやかしいものを、みせてくれるのです。そのようにうつくしく、かがやかしいもの、それは、人間のつくったでたらめでしょうか?いいえ、バージニア、それほどたしかな、それほどかわらないものは、この世には、ほかにないのですよ。

サンタクロースがいない、ですって?

とんでもない!うれしいことに、サンタクロースはちゃんといます。それどころか、いつまでもしなないでしょう。一千年のちまでも、百万年のちまでも、サンタクロースは、子どもたちの心を、いまとかわらず、よろこばせてくれることでしょう。

                            フランシス=P=チャーチ

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この心あたたまる社説は、以後50年間サン紙がなくなるまで、毎年クリスマスになると同紙に掲載され、世界中の新聞雑誌にも幾度となくとりあげられてきました。
この社説を書いたフランシス=P=チャーチ氏(1839-1906)は、当時の編集長の回想録によると、「人間生活のあらゆる面について、深い洞察力とするどい感受性をそなえた人物だった」そうです。
社説を書く要因となった、ニューヨーク・サン紙に手紙を送った女の子、バージニア=オハンロンは、やがて教職につき、引退する前の3年間はブルックリンの公立学校の副校長を務めました。バージニアは、1971年81歳で亡くなりましたが、このときニューヨーク・タイムズ紙は「サンタの友達バージニア」という記事を掲載して、彼女を”アメリカのジャーナリズムにおいて、もっとも有名な社説が書かれるきっかけとなった、かつての少女”と評したということです。
そう、これは、ひとりの少女とひとりの記者との永遠に語り継がれるべきおはなし・・・
おとなたちが、こどもに対してなにを伝えなければならないのかを問いかける、ひとつのおはなし・・・
あなたは、こどもの問いかけに、どう答えていますか?
「ねえ、サンタクロースって、ほんとうにいるの?」
この Yes,Virginia,there is a Santa Claus というフレーズは、現在では「信じられない事かもしれないが、それは確かに存在しているのだ」という意味で使われるようになっているそうです

★ サンタクロースの本籍地

1927年のフィンランドのラジオのクリスマス番組が「サンタロースはラップランドの奥深く、コルヴァ・トゥントゥリ山に、小人さんたちやトナカイたちと住んでいます。」と放送しました。現在ではこれがサンタクロースの”本籍地”と考えられるようになっています。

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★ トナカイたちの名前

サンタクロースは、トナカイ8頭立てのソリに乗って、世界中の子供たちにプレゼントを配るために飛びまわっています。
さて、その8頭のトナカイの名前は・・・
ダッシャー、ダンサー、プランサー、ビクスン、コメット、キューピッド、ダンダー、
ブリッツェン・・・というそうです。

知ってましたか?(^_^;)

(引用終わり)
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 12月24日はクリスマスイブです。世界中をサンタクロースが飛び回り、子ども達にプレゼントを渡します。


2015年12月22日