#55 大牟田の夏祭り

 先週末(7月23日と24日)に行われた大牟田の夏祭りですが、昨年まで福岡市に住んでいたために故郷の夏祭りを長い間見たことがなく、およそ40年ぶりに勇壮な大蛇山を目にしました。大牟田の中心部である大正町周辺に市内の代表の大蛇山が集まり(六山と呼ばれています)、昼間は閑散としている通りですが、身動きができないほどの人だかりができていました。大蛇山は市内の各神社で制作され、氏子たちが山車を引っ張り祭り囃子を奏でながら各地区を練り歩きます。山車の前後には紙でできた大蛇の頭と尾が取り付けられています。また山車の中には太鼓や鐘があり、それで囃子を奏でます。また大蛇の口からは花火を吹き出し、まるでゴジラのような雰囲気を醸し出します。
 福岡市ではこの時期に勇壮な祇園山笠があり、櫛田神社を出発点とする山笠を担いで競争する祭りがあり、多くの観光客が集まります。ただ私は40年近く福岡市で暮らしましたが、一度も山笠を見に行ったことがありません。おそらくそれは幼い頃に大蛇山の奏でるリズムが体に染み込んでおり、故郷の祭り以外はあくまでも異郷の祭りのような気がしているからです。
 全国各地にその土地を代表する祭りがあり、その土地の長い伝統を伝えています。郷土再生の一環として新しい祭りを創生する市町村もありますが、故郷の伝統や民話、祭りなど、いつまでも大切にしてもらいたいものです。

2016年07月27日