#511 実質的値上げ

 今年もひと月足らずとなりました。今年はウクライナ戦争に始まり、イスラエルのガザ攻撃に終わる1年になりそうです。来年はどのような年になるのでしょうか。また今年も多くの品目で大幅な値上げが実施されました。この傾向は来年も続きそうです。賃金の上昇がない限り、庶民はまだまだ苦しい生活が続きます。
 ところで、明白な値上げ宣言をした後で値上げするのはまだ良心的です。誰も気づかないうちにしれ~っと値上げをしている企業があります。NHKです。
 NHK BSが12月よりBS1とBS3が1つになりました。つまり2チャンネルが1チャンネルに減ったのです。これに関する記事がありますので、掲載します。
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『BS1とBSPを凝縮した「NHK BS」が誕生 チャンネルを再編』
 NHKは1日、BSのチャンネルを再編した。同日午前0時に、BS1のチャンネルを「NHK BS」に改称し、番組編成をBS1とBSプレミアム(BSP)の両チャンネルを統合した内容に変更。それに伴い、BSPでの番組放送を休止した。BSPは、来年3月末に停波する。また「BS4K」のチャンネル名も同日「BSプレミアム4K」に変更した。今回の再編は、10月の受信料値下げなどとともに行うNHKの経営のスリム化の一環。
 11月30日夜~翌1日には、BS1とBSPで、名称変更の瞬間を伝える特番が同時に生放送された。日付が変わると、BSPは花火大会の映像を背景に「BSプレミアムの番組は、ただいまをもちまして、101チャンネルに移りました」などとチャンネル変更の告知画面に切り替わった。
 再編により廃止される定時番組は「ほぼない」としている。再放送や単発番組で埋めていた時間帯が多かったためだという。
 山名啓雄メディア総局長は11月の定例記者会見で、「新しいBSは、BS1とBSプレミアムを凝縮したテーマパーク。様々なジャンルの番組をお楽しみいただけると思う」とアピールしている。
https://www.asahi.com/articles/ASRD15G2ZRCXUCVL05G.html?iref=pc_ss_date_article
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 上記の記事に「受信料値下げ」とありますが、NHKでは、この10月から受信料を一割値下げします。 受信料額は地上料金を含む衛星契約の場合、月額1,950円に、地上契約のみの場合は、月額1,100円となります。 今まで衛星料金と地上料金ではひと月あたり945円、料金の差がありましたが、今回の値下げにより料金の差は850円となりました。
 ここで勘違いしてはならないのが、NHKは実質上値上げしているという事実です。ここで簡単な計算をしてみましょう。1個100円のリンゴを2個買いました。支払金額は200円になります。2個を1個に減らせば当然100円になります。同じ理屈がNHKにも当てはまりませんか?
 値下げ前の受信料は地上波1,225円、衛星放送は2170円でした。この受信料をもとに考えますとBSは1チャンネルになりますので、2,170円÷2=1,085円となります。しかし、新受信料では1,950円支払わなければなりませんので、1,950円ー1085円=865円となり、実質865円余分に支払わなければならないことになります。この理屈おかしいですか?
 今まで視聴できていた2チャンネルが1チャンネルに減った。だから1チャンネル分の受信料を払うだけで良いのではないか、という理屈が成り立ちます。NHKはチャンネル変更に合わせて、1割値下げを10月より実施していますが、私の主張を是非NHK番組「笑わない数学」で取り上げてほしいものです。またNHK受信料に関して様々な疑惑が生じています。地上波放送のみの受信料は実質なしで、衛星放送が見られる受信機を持っている家庭は衛星放送受信料を契約しなければならないなど、非情に矛盾だらけの受信料形態となっています。この矛盾を解決できる人はいないのでしょうか。今日はNHKに対する不満を述べてみました。

2023年12月03日