#440 哀悼の意
本日は参院選の投票日です。私たち国民一人ひとりが国政に対して意思を示す唯一の場です。棄権せずに多くの人々が自分の意思を示して次の日本の舵取りに影響を与えてもらいたいと思います。
ところで、金曜日に世界を震撼させた暴挙が発生しました。ご存じのように安部元首相の暗殺です。私がこの一報に接したのは仕事を終えて帰宅した午後4時過ぎのことでした。何気なくテレビのスイッチを入れると、どの放送局も一斉にこの事件を報道していました。そして午後5時過ぎに下安倍首相の逝去が速報で流れました。
まったく残念という他ありません。事件の報道番組の映像でしか判断できませんが、安部氏が演説を行っている時に周囲のSPや警官が彼の後ろを全く警戒していません。一発目の弾丸が発射された時にも安部氏を守ろうとする行動を誰も取っていませんでした。この場面を見て思い出されるのは、かつてレーガン大統領が暗殺未遂事件に遭遇した時に、周囲のSP達が犯人と大統領の間に入り込み、大統領の命を救った場面です。残念ながらSPの一人は射殺されています。
奈良県警も自分たちのミスを認めていますが、重要人物の警護には細心の注意払い、最善をつくすべきです。特に安部氏は政界の指南役として今後の活躍を期待されていた人物です。謹んで哀悼の意を表したいと思います。
安部氏に関しては政権後半に森友問題などで批判されていましたが、彼ほど日本や世界のために世界中を飛び回って根回し外交した政治家はいないでしょう。特に安部氏はトランプ氏と懇意にしていましたので、各国の首脳がトランプ氏と会談をする前に安部氏に会談がうまくいくようにアドバイスを求めた逸話が残っています。
安部氏が言っていたように外交は国防の第一義です。国を守るためにいかに他国との協調路線を行い、争いを防ぐためにお互い意見交換をするかは長期政権の人物しかできません。かつて毎年のように首相が代わっていた日本は顔のない国として世界に認識されていました。「金は出すが汗はかかない国」として湾岸戦争時には貢献した国として日本の名前は出ませんでした。当時日本は自衛隊を派遣し、海上の機雷撤去等に活動し、連合国に多大に寄与したにも関わらず、一言もお礼の言葉がありませんでした。それは日本の首脳の存在が薄かったからです。
安部氏は政治家一家に生まれ、外交の重要性をを幼い頃から学んでいたのでしょう。「外交なしには国の防衛なし」、「国の防衛なしには国民の命を守れない」。このような意識が強かったと思います。安部氏について様々な意見がありますが、国を守るという姿勢は他の政党や政治家には見られないほど真摯な姿勢が見られたと思います。
世界中の主な首脳から弔意の言葉が届けられています。それほど彼の外交姿勢は素晴らしかった言えます。彼亡き後に日本丸は何処へ進んで行くのでしょか。