#249 天国のマネージャーへ
今日は朝から晴れています。少々蒸し暑く、最高気温が30度を超えそうです。九州南部などで大暴れした今年の梅雨もあと1週間ほどで明けることでしょう。梅雨末期の大雨に注意したいものです。
さて昨日の朝日新聞(電子版)に次の記事が載っていました。個人的に全く無関係の記事ではありませんの、紹介したいと思います。
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『天国のマネジャーへ 果たした約束、球場に響いた校歌』
(14日、高校野球熊本大会 熊本国府11―2玉名)
リブワーク藤崎台の第1試合、2回戦の熊本国府―玉名。シード校に挑む三塁側スタンドの玉名の応援席に、遺影を手に試合を見守る夫婦がいた。熊本市北区植木町の会社員西林尚綱(たかつな)さん(47)と久美さん(46)。今年1月31日に骨肉腫で亡くなった娘の蒼さん(享年19)は、玉名のマネジャーだった。
野球好きの家族の影響で、蒼さんは中学3年の時には1人で球場に通うほどになっていた。高校1年の5月に骨肉腫を発症しているのが判明した。治療のため2年次は留年。3年目の秋に、野球部監督をしている1年の時の学級担任に誘われ、もともとやっていたソフトボール部のマネジャーから野球部に転向した。
治療のため、東京の病院と熊本を行き来する日々が続いた。骨肉腫が足から発症していたため、普段歩くときは松葉杖を使っていた。重いものを持てないため、ボール渡しやボール磨きでチームに貢献した。
昨夏の熊本大会もマネジャーとして参加する予定だったが、雨のため日程がずれ、東京での治療のため試合を見ることができなかった。結果は開新に0―1で惜敗。保護者がLINEで実況してくれるのを病院で見ながら、「一緒に応援したかった」「1試合でも勝ってもらいたい」と悔しがった。
蒼さんが迎えられなかった今春の卒業式の日。尚綱さんの元を、今の野球部の2年と3年が訪れ、寄せ書きを渡してくれた。「ご卒業おめでとうございます」「天国で見守っていてください」……。部員たちは「大会で必ず勝って校歌をきかせる」と約束してくれた。
そしてこの夏、約束は果たされた。1回戦で玉名は10―3で天草拓心に勝ち、球場に校歌が響いた。「この大会は校歌を聞かせるために来ました」。尚綱さんは待望の勝利を、スタンドで蒼さんの遺影と共に喜んだ。2回戦は敗れたが「よく頑張ってくれた」と選手たちをたたえた。
玉名の栗屋翔世主将(3年)は試合を終えて、「西林さんに勝利をという気持ちは、チーム全員の心の中にあったと思う。1回だけでも勝てて良かった」と安心した表情を見せた。(渡辺七海)
(https://www.msn.com/ja-jp/sports/news/天国のマネジャーへ-果たした約束、球場に響いた校歌/ar-AAEiqL2)
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この記事を読んで、現在大学1年生の元塾生が語っていたのを思い出しました。彼は玉名高校の出身で、お母様のご友人の紹介で熊本県の和水町から車で40分ほどかけて2年ほど当塾に通いました。その元塾生から今年の冬に「同級生の女生徒が亡くなって通夜に行きますので授業に来れません。」との連絡を受けたのでした。次回当塾に来た時に彼に話を聞くと、病気で亡くなったとのことでした。亡くなった詳しい理由を聞くのは失礼に当たると思い、尋ねるのを避けましたが、昨日病気で亡くなられた女生徒、西林蒼さんに関する記事を偶然目にしたのでした。元塾生から話を聞いていなければ、素通りした記事でした。
子供が親よりも先に他界するのを”逆縁”と言いますが、親御さんの心中は察して余りあるものがあります。天国にいる蒼さんが母校の球児たちのマネージャーとしていつまでも活躍できるように、心から祈りたいと思います。