#153 親子の縁

 今日は実家で亡くなった父母の13回忌が行われました。両親が亡くなった年月は異なりますが、法事に参集してくれる親類の負担を減らすために、お寺に依頼して同じ日に法事をしていただきました。振り返りますと両親が亡くなって13回目の法事をしたことになります。あらためて年月の流れを感じざるを得ません。子どもの年齢が50前後になりますと、親子の代替わりが始まります。子どもが若い時に不幸にも世を去る親御さんがいらっしゃいますし、子どもが70、80歳になっても100歳を超えて元気な親御さんもいらっしゃいます。
 親がいなければ、子どもはこの世に生まれてきません。同様に祖父母がいなければ親もこの世に存在しません。私たちは遠い先祖から世代替わりを繰り返しています。ここに先祖への感謝と先祖供養の意味が存在します。ある計算では親が二人、祖父母が四人、祖祖父母が八人と繰り返していくと、10代目を超えるころには先祖の総数が百万人を超えるそうです。それだけ多くの先祖を私たちは一人ひとり背後に持ちながらこの世に存在していることになります。
 それでも直近の父母や祖父母との繋がりが一番強いものです。良い親に恵まれるか、そうでないかは生まれてくる子どもの一生に関わります。ここに親子の不思議な縁が存在します。親子の愛憎は血の繋がりのある人間関係の中で一番強いものです。異論はありますが、最近の研究では子どもが両親を選んで生まれてくる、と言われています。心理学の発達で、退行催眠術や臨死体験経験者への調査の結果、様々なことが明らかになってきています。それによりますと、私たちは様々な経験を体験するためにこの世に生まれてくるそうです。そして、各自の人生において一番貴重な体験をするために両親を選ぶそうです。
 親は生まれてくる子の幸せを祈り、そして将来の幸せを願って子育てをしますが、必ずしも子どもは親の願いを知っているわけではありません。また子どもを虐待する愚かな親も存在します。子どもは子どもの人生があり、社会に出てからは親と同居する子どもは少ないことでしょう。親は子どもが成人するまでは責任がありますが、子どもが巣立ちを迎える頃には親もまた子どもから自立しなければなりません。また子どもは結婚し、自らが親となります。人の一生はこの繰り返しです。
 世代交代は人間だけのことではありません。社会や国も代替わりを行います。この国は来年代替わりを迎えます。今上陛下に代わり、現皇太子が新天皇となりますが、どのような世の中になるか誰も分かりません。日本国がいつまでも存続するように、私たち一人ひとりの生き方が大切になります。

2018年01月21日