#199 グラミン銀行が日本へやって来る!
前回の台風21号よりもさらに強い台風24号が現在沖縄を通過しています。明日(9/30)は九州から近畿地方まで西日本は台風の影響が終日続きます。前回の台風は関西空港を始めとする多くの重要な施設が大きな被害を受けましたが、今回も大きな被害が想定されますので、台風の進路に当たる方々は充分ご注意願います。
さてグラミン銀行という言葉を初めて聞かれた方が多いのではないかと思います。私自身も2、3年前に英検の問題集で初めてグラミン銀行のことを知りました。御存じない方々へブリタニカ国際大百科事典より引用します。(https://kotobank.jp/word/グラミン銀行)
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【グラミン銀行】
バングラデシュの特殊銀行。貧しい人々を対象に無担保で少額融資(マイクロクレジット)を行う銀行で、その創設者ユヌス博士とともに2006年のノーベル平和賞を受賞した。
グラミン銀行誕生のきっかけは、ユヌスが体験した1974年のバングラデシュの大飢饉(ききん)であった。当時、チッタゴン大学の経済学部長であったユヌスは、貧困のために飢えて死んでいく人々を救う方法を模索し、考え出したのが少額融資による貧困撲滅計画「グラミン・バンク・プロジェクト」であった。少額融資事業を始めたのは1976年からであるが、1983年に特殊銀行として正式に発足、ユヌスはその総裁に就任した。なおグラミンとはベンガル語で「村の」という意味である。
銀行の株は政府が60%、残り40%をメンバー(1人1株)が保有する。銀行の特徴としては、融資の対象が貧しい人に限定されていることである。さらに融資を受ける人は5人のグループを形成し、担保を必要としないかわりに、返済については連帯責任となる。また毎週集会が開かれ、それへの参加も義務づけられている。グラミン銀行は、融資するだけでなく、この集会を通じて、識字教育、保健衛生の普及、家族計画、職業訓練などのプログラムを実行している。バングラデシュの農村部における識字率は1997年現在で男性44.5%、女性35.3%にすぎず、グラミン銀行の活動は教育の普及、生活向上にも役だっている。イスラム教の盛んなバングラデシュでは、女性の地位が低い。とくに女性が就職や財産管理などの経済活動を行うことを嫌う傾向がある。そのため、グラミン銀行から融資を受ける人は、自分で自由になる金銭を求める女性が圧倒的に多く、2006年ではメンバーの95%が女性で占められ、勤勉な女性が経済的に自立できる例が多くみられている。一方、グラミン銀行に対して、年20%という高金利、相互監視のようなグループ連帯保証などに対し批判の声もある。しかしグラミン銀行で成功したマイクロクレジットは、開発途上国はもとより、先進国にも広がりをみせている。2006年10月現在、メンバー数は667万7000人、累積融資額は57億7000万ドルであり、融資の返済率は99%に達している。
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この銀行が今秋日本で活動する記事が先日ネットに掲載されました。この銀行は貧しい人にお金を貸すのではなく、貧しい人たちの起業を通して援助し、教育活動も行う団体で、上記の記事のようにバングラデシュで成功を収めています。グラミン日本のHP(https://grameen.jp/about/)から引用しますと、
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先進国と呼ばれる日本。しかしながら、格差は徐々に拡大し、今では国民の6人に1人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされています(*)。現代の日本では、貧困は失職、病気、ケガ、事故、配偶者との離別・死別などによってほとんどの人に起こり得る、明日は我が身の問題になっています。
グラミン日本は、貧困や生活困窮の状態にある方々に低利・無担保で少額の融資を行い、こうした方々が起業や就労によって貧困や生活困窮から脱却し自立するのを支援するマイクロファイナンス機関です。これまでの金融ではカバーされなかった人たち、たとえば働く意欲はあっても今は生活が苦しいシングルマザーやワーキングプアの人たちに、生活資金ではなく、「起業や就労の準備のためのお金」を融資します。
私たちは、働く場所があるということが真の意味で人を貧しさから救う、そして融資資金はそのための種(シード)になると考えています。
グラミン日本は、開発途上国のみならず、欧米先進国でも貧困削減に効果(**)を上げているグラミン銀行の日本版です。日本の実態にあった方法で運営します。
貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会をつくりたい、それが私たちの想いです。
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確かに生活保護のような生活資金を与えるだけでは生活保護者に働く機会を与えることにはならず、貧困の解消には繋がりません。意欲のある貧困の人達が集まって起業することにより生産性が高まり、それから生じる利益により貧困から抜け出すことができます。ただし、これまでは起業する資金が借りられなかったことが現状でした。グラミン銀行は貧しい人たちの起業を支援する目的で創設されました。一人では何もできませんが、数名集まれば知恵や技術も集まり、そこから起業することも可能です。日本の銀行では資金援助をしない場合でも、グラミン銀行は支援してくれます。日本社会でグラミン銀行が根付くことが今後の課題ですが、貧困にあえぐ人たちが自立するためには必要不可欠な銀行です。これからグラミン銀行に注視していく必要があります。