#448 ゴルバチョフの功罪

 大型台風11号が沖縄近海を北上しています。現在は時速15キロ程度の速さですが、火曜日の午前中には九州北部に最接近すると予想されています。火曜日は多くの小中高等学校で休校になると思われます。
 しかし、適度の大きさの台風は陸上では作物の害虫を吹き飛ばしたり、海では海水をかき混ぜることにより、熱くなり過ぎた海水の温度を適度な水温まで引き下げ、海を常態化させます。物事には様々な面がありますが、何事も中庸が大切だということです。
 さて、ペレストロイカを行ったゴルバチョフが死去し、本日葬儀が行われました。ソ連最後の書記長に相応しくない葬儀のようでした。読売新聞では次のように報じています。
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『ゴルバチョフ氏葬儀・告別式、「国葬」ではなく静かな別れ…
                      米英独は駐露大使が参列』
 8月30日に91歳で亡くなったミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領の葬儀・告別式が3日、モスクワ中心部で営まれた。ソ連最後の最高指導者として東西冷戦を終結に導いた偉業にもかかわらず「国葬」ではなく、プーチン露大統領も公務を理由に欠席した。
 タス通信によると、ハンガリーのビクトル・オルバン首相が参列したが、米英やドイツは駐露大使にとどまった。ロシアによるウクライナ侵略も影を落とす静かな別れとなった。
 露大統領府に近い労働組合会館「円柱の間」での告別式は大統領府儀典局が支援し、国葬に準じる形で行われた。露国内ではゴルバチョフ氏が1991年のソ連崩壊をもたらした張本人との批判が根強いことを反映したとみられる。露国営テレビもほぼ通常どおりの放送だった。
 ゴルバチョフ氏はモスクワ市内のノボデビチ墓地で、99年に死去したライサ夫人の隣に埋葬された。墓地にはソ連の後継国家ロシアのエリツィン初代大統領ら著名人も埋葬されている。2007年に死去したエリツィン氏は、国葬だった。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220903-OYT1T50212/
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 ゴルバチョフ氏の評価はロシア国民の中で分かれるようです。ソビエト連邦を崩壊させた張本人として嫌うロシア人もいれば、国に自由をもたらした人物として評価するロシア人もいます。もしウクライナ戦争が起こっていなければ、東西冷戦を終結させ、東側の政治体制を変革させ、ソ連の多くの衛星国を独立させた功績により、ゴルバチョフ氏は国際的に評価され、国葬になっていたことでしょう。
 時とともに時代は常に変化していきます。5年後、10年後に世界はどのような変化を迎えているでしょうか。未来は誰にも分かりません。ひとつだけ言えるのは未来は突然現れるのではなく、日々の変化の集大成だということです。つまり、今日の世界の人々の言動が明日の世界を創造し、未来の世界を形成することになります。明るい未来が登場するかどうかは、すべて私たちの考えや言動の結果だということです。よりよい未来を創るためには現在の私たち一人ひとりが努力する必要があります。

2022年09月04日