#188 東京オリンピックにサマータイム導入?
今日から8月になり、台風一過後にまた猛暑が戻ってきました。台風12号はまだ九州の南海上でうろうろしていますが、中国大陸に向けて動き出すようです。今月は統計的にも台風が発生数の多い月ですので、今後発生する台風の進路には充分な注意が必要になります。
さて、おかしな人が世の中にはたくさんいますが、先日妄言を吐いた人がいます。森喜朗「しんきろう」氏です。彼の提案では東京オリンピックの暑さ対策としてサマータイムを導入するように安倍首相に提案したそうです。この件についてNHKのウェブニュースでは次のように報道しています。
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東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会の森会長は、安倍総理大臣と総理大臣官邸で会談し、大会期間中の暑さ対策の一環として、夏に生活時間を早める「サマータイム」の導入を検討するよう要望しました。
この中で森会長は、安倍総理大臣に対し、2020年東京大会に関連して、47都道府県を回る聖火リレーの概要や、開会式や閉会式の演出の在り方などについて説明しました。
そのうえで森会長は「マラソンなど一部競技の日程を朝早くにしたが、それだけで異常な暑さに耐えられるのか。抜本的な暑さ対策を考えなければならない」と述べ、大会期間中の暑さ対策の一環として、夏に生活時間を早める「サマータイム」の導入を検討するよう要望しました。
森会長によりますと、これに対し安倍総理大臣は「一つの解決策かもしれない」と述べたということです。会談のあと森会長は、記者団に対し、「安倍総理大臣は非常にまじめに聞いてくれた。2020年東京大会を契機にサマータイムが実現すれば、大会の大きな遺産になるのではないかと思う」と述べました。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180727/k10011552261000.html?utm_int=detail
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これに対して菅官房長官は次のように述べています。
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菅官房長官は30日午前の記者会見で、東京オリンピック・パラリンピックでの猛暑対策をめぐり、夏に生活時間を早めるサマータイムは国民生活に大きな影響が生じるとして慎重に検討する考えを示したうえで、競技時間の前倒しなどの対策を徹底する考えを示しました。
東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会の森会長は先週、総理大臣官邸で安倍総理大臣と会談し、大会期間中の暑さ対策の一環として、夏に生活時間を早めるサマータイムの導入を検討するよう要望しました。
これについて菅官房長官は午前の記者会見で、「猛暑対策というのは重要な課題であり、サマータイムは一つの提案として受け止めるが、国民の日常生活にも大きな影響を生じるものだ」と述べ、慎重に検討する考えを示しました。
そのうえで菅官房長官は「暑さ対策は競技の開始時間の前倒しや沿道の緑化、それに路面の温度の上昇を抑制する舗装などの取り組みを進めており、ハード・ソフトの両面で総合的な対策を徹底したい」と述べました。(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180730/k10011555991000.html)
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猛暑の中サマータイムを実施して1、2時間ずらしたとしても、根本的な暑さ対策にはなりません。サマータイムの悪影響を森氏は理解していないのでしょう。以前このブログで夏季オリンピックの開催時期について私見を述べましたが(ブログ#158)、猛暑の中での東京オリンピックとサマータイム導入は別件として扱わなければならない問題です。
まずサマータイムに関してですが、ヨーロッパ各国では3月の最終日曜日午前1時から 10月最終日曜日の午前1時まで実施します。具体的に述べますと開始日の午前1時が午前2時に、最終日の午前2時を午前1時に変更します。オーストラリアで3年間暮らし、サマータイムを体験した私としては、身体が慣れるのにサマータイム開始日から2週間ほどかかりました。わずか1時間の変更でもでも体内時計がおかしくなります。
サマータイムの発想は特に高緯度のヨーロッパにおいて昼間の長い時間を有効に利用しようとするものです。早く仕事に取りかかり、早く仕事を終えて、個人の自由な時間を大いに楽しむ発想ですが、サービス残業の横行する日本では逆に仕事の時間が増えるだけだと思います。北海道を除いて、それほど高緯度ではない日本国内は仕事終了後の明るい時間はそれほど長くありません。ウィキペディアによると、戦後一時期に日本でサマータイムを実施したこと説明しています。
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日本において夏時間は、太平洋戦争敗北後の連合国軍占領期にGHQ指導下で公的に導入され、1948年(昭和23年)4月28日に公布された夏時刻法に基づき、同年5月2日の午前0時から9月11日にかけて初めて実施された[3]。以後、毎年5月(ただし、1949年(昭和24年)のみ4月)第1土曜日24時(=
日曜日0時)から9月第2土曜日25時(= 日曜日0時)までの間に夏時間が実施されることとなったが、残業増加や寝不足を引き起こすなどとして不評を呼び、1951年(昭和26年)度はサンフランシスコ講和条約が締結された第2金曜日の9月7日で打ち切られ[3]、翌1952年(昭和27年)4月27日の占領終了と同月28日の条約発効による日本の主権回復に先立ち、夏時刻法は同年4月11日に廃止された。
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東京オリンピックを機会にサマータームが導入されますと、同じような結果になると思われます。森氏の名前のようにサマータイムが「しんきろう」のように終わってしまう可能性大です。
問題は「なぜ真夏の時期に夏季オリンピックを開催しなければならないか」という根本的な問題です。すべてはアメリカとヨーロッパの都合で、夏季オリンピックが真夏に回されたことです。秋季開催ではアメリやヨーロッパでの人気スポーツ開催時期と重なり、視聴率が確保できないことが一因です。つまり、アスリート・ファーストではなく、視聴率ファースト、換言すれば、お金ファーストということになります。オリンピックを含め、世の中すべてがお金中心に動いています。世の中で一番強いのは政治ではなく、「お金」です。金さえあれば権力でも何でも手に入る世の中です。困ったものです...