#301 愛の戦士たち
ゴールデンウィークが近づき、東京都では「ステイホーム週間」を設けて初の週末を迎えています。先週末と異なりテレビの報道で知る限りは、主な観光地ではほとんど人込みが見られません。感染率を減らすために、この状況が続いてくれることを期待します。また福岡市の天神も自粛率が70%を超えるなど、新コロへの人々の自粛対策意識が高まっています。このことは新コロの感染を防ぐだけでなく、医療関係者の負担を減らすことにもなり、医療崩壊を防ぐことにもつながります。
さて「愛の戦士」として医療現場の最前線で働いていらっしゃるのが医師、看護師などの医療関係者です。新コロの感染から自分の命や家族を守りつつ、日夜感染者のためにほとんど休みなしに医療現場で戦っていらっしゃいます。本当に頭が下がります。地震や洪水などの自然災害では、ボランティアとして多くの人たちが災害現場で活動できますが、医療現場では専門職の人々しか働けず、一般の人々はただ現場の推移を見守るしかありません。そのような大変な医療従事者に感謝し声援を送るために、世界各国で決まった時間に皆で拍手したり、歌を歌ったりすることが行われています。この行為は医療現場の人たちと共に気持ちを共有したい意識の表れで、お互い愛の気持ちでつながれた行為に他なりません。
また医療関係者だけでなく、国の安定に寄与している警察、消防、通信、電気などのインフラ産業、生活を維持するために必要なスーパーマーケット、薬局など、この自粛期間にも毎日働かなければならない業種に所属している人々もまさに「愛の戦士」と言えるでしょう。本当に頭が下がります。新コロが落ち着き、平常の状態に社会が戻れば彼らが社会のヒーローであり、救世者となります。
ところが、このような慈愛に満ちた彼らの活動にも関わらず、彼らに対して様々な風評被害が発生しています。次の記事は読売新聞の社説です。
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『コロナ過剰反応 偏見は社会不安しか生まない』
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、過剰反応や差別的な行為が相次いでいる。正しい情報に基づいた冷静な行動を心がけたい。
目立つのが、医療従事者らに対する心ない言動だ。集団感染が発生した東京都台東区の永寿総合病院に勤務する女性は、娘が通う保育園から登園を自粛するよう求められた。女性はPCR検査で陰性だったが、娘の登園を控えざるを得なかった。
医師や看護師が感染した兵庫県小野市の北播磨総合医療センターでは、人事異動で転居しようとした職員が業者に引っ越し作業を断られた。家族が勤務先から出勤停止と言われたケースもある。
日本医師会によると、感染者が出た病院がシーツや枕カバーなどのリネン交換を業者から拒まれた事例も出ている。言うまでもなく、医療従事者は過酷な現場で日々、身を削る思いで、懸命に治療にあたっている。こうした過剰反応は、感染症に対する不安が背景にあるにしても、極めて残念である。
保育園に子供を預けられなければ、その医師や看護師は病院に行けないかもしれない。寝具の交換ができないと、病院内の業務は滞る。偏見から生まれた行為が、現場を疲弊させ、医療崩壊を招くということを考えねばならない。
学校現場でも、不適切と言うほかない対応が見られる。愛媛県新居浜市の市立小学校は、感染拡大地域を行き来する長距離トラック運転手の子供に自宅待機を求めた。保護者も子供も体調に問題はなかったが、感染のリスクが高いと判断したという。
外出自粛が広まるなか、トラック運転手は物流を担い、国民の経済活動を支えている。学校関係者はなぜ、そのことに思いを巡らすことができなかったのか。
学生の集団感染を公表した京都市の京都産業大には抗議などの電話やメールが数百件届いた。なかには「大学に火をつける」と脅迫するような内容まであった。誹謗(ひぼう)中傷が続くと、感染拡大を防ぐため情報を積極的に公開しようとする動きに、ブレーキがかかりかねない。過激な言動は社会不安をあおる結果しか生まない。
新型ウイルスには誰もが感染しうる。今、求められるのは、最前線で働く人たちに感謝し、自らも感染抑止に努める姿勢だろう。
茨城県や福岡市の職員は、医療従事者らへ拍手を送る取り組みを始めた。こうした動きが社会に浸透することを期待したい。
(https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200423-OYT1T50011/)
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高校生も難しい対応を求められています。今年のインターハイの中止が決定しました。また高校野球も中止という重大な決定をする時期に来ています。今私たちは二者選択を迫られています。行動自粛を続けてできるだけ早く新コロの影響を脱するか、あるいは中途半端な行動自粛のせいで、今後も長期にわたり経済活動まで自粛させるか。あくまでも選択するのは私たち一人ひとりの意識です。頑張りましょう。