#421 明日は我が身?
月末になり、長く居座っていた寒気もようやく去り、今日は春らしい気候となりました。明後日3月1日は多くの高校で卒業式が行われます。新卒の生徒たちに4月から新しい人生が待っています。「幸ある人生あれ」と、心からエールを送りたいと思います。
さて恐れていたことが現実となりました。ロシアによるウクライナ侵攻です。連日マスコミが詳しい情報を伝えていますので、お分かりと思いますが、これは国際法に完全に違反する重大な侵略行為です。欧米各国はそれぞれの思惑があり、なかなか足並みが揃わず、現状ではロシアに対して強力な対抗手段を取れない状態が続いています。また「アメリカは軍の派遣を行使しない」とバイデン大統領が公言したこともロシアの軍事進攻のきっかけとともなっているようです。
事の真相はさておき、個人的にさらに懸念していることは中国共産党の動きです。現在起きているロシアの「力による」行動を正当化すれば、中国は早晩台湾に侵攻することでしょう。すでに秒読みになっているかもしれません。事実ロシアがウクライナに侵攻を開始した日に中国の戦闘機9機が台湾海峡を通過し領海侵入を行っています。
中国は数年以内に台湾侵攻を行うことを宣言をしており、台湾と同時に尖閣諸島にも侵入を開始するかもしれません。「お花畑に住んでいる」日本人にとり、ウクライナ問題は他人事ではないのです。果たして何人の日本人が現在の日本の状況を理解しているでしょうか。北方領土は終戦直前にロシアが千島・樺太に侵攻し、それ以来北方4島は旧ソ連ロシアの支配下にあります。また竹島は韓国の初代大統領李承晩が1952年に「李承晩ライン」を一方的に宣言し、それ以来韓国の実質管理下に置かれています。さらに尖閣諸島は連日のように中国による領海侵犯が行われています。つまり外交的な話し合いではいずれも解決できない状況です。実質的に日本の領土の一部が占領されている状況と言えるでしょう。
ウクライナ問題は日本にとって対岸の火事ではないのです。軍事力による「力の行使」がこの世で一番強力な武器であるとロシアは世界に知らしめました。この前近代的な考え方が広がれば世界はまた戦火の絶えない暗黒時代へ戻ることになます。少なくとも自国は自国民が守る姿勢が無ければいつでも侵略されることを今回のロシアが如実に示しています。