#406 大牟田がロケ地に!?
11月も下旬になり朝晩は寒くなっていきました。明日は寒冷前線が九州を通過し、その後日中の最高気温が13度前後の真冬並みの気候になるようです。本格的に冬の季節が近づくころになりました。
さて、2016年に大牟田市を描いた映画「命スケッチ」が公開されましたが、それに続く映画のロケ地に再び大牟田が選ばれました。18日付の読売新聞電子版に関連の記事が出ていましたので、以下に転載したいと思います。
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『元炭鉱町親子描く映画「向田理髪店」 大牟田で来月撮影へ』
寂れた元炭鉱町で困難にぶつかりながらも、前を向く親子などを描く映画「向田理髪店」の撮影が、12月に大牟田市を中心に行われることが決まった。メガホンを取る森岡利行監督(61)は「都会や地方、どこで暮らしても頑張れば温かな気持ちになれる、そんな作品にしたい」と意気込んでいる。
映画の原作は、直木賞作家・奥田英朗さんの作品で、かつて炭鉱で栄えたものの、過疎に悩む北海道の架空の街を題材とした同名の小説「向田理髪店」。
森岡監督は「ツレがうつになりまして。」や「子猫の涙」など、様々なドラマや映画の脚本、監督を務めた。奥田さんの原作映画「純平、考え直せ」で監督を務めた後、「向田理髪店も映画化したい」と構想を練ってきたという。
「福岡のエンターテインメントを盛り上げてほしい」という県内の自身の支援者の願いもあり、舞台を北海道から九州に移してロケ地を探した。そんな中、昨年5月に訪れた大牟田市では、旧三池炭鉱施設や自然などに触れ、「小説の中のリアルを感じることができた」という。
映画「向田理髪店」は、都会の広告代理店勤務を辞め、九州のかつての炭鉱町で理髪店を営む男性が主人公。自身と同じように東京から理髪店の跡を継ぐと地元に戻った息子との人間模様などを、宮原坑や三池港、有明海などの風景とともに、コメディータッチで描く。
大牟田市内を中心に、12月上旬から約2週間撮影を行い、来年の秋~冬頃に全国公開予定。出演する俳優は調整中だが、「著名なキャストになる」(映画製作会社)という。
今月15日には市役所で、森岡監督や撮影を支援する大牟田商工会議所青年部の田中達憲会長(46)らが記者会見。森岡監督は「大牟田には自分が手がけた映画にはない風景がある。温かな作品に仕上げたい」と意気込みを語った。
田中会長は「 閉塞へいそく 感が漂う大牟田のPRとともに、撮影を通じて、市民が明るい気持ちになってもらえるよう、(撮影の)すべてに協力したい」と話した。
(https://www.yomiuri.co.jp/local/fukuoka/news/20211117-OYTNT50087/)
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私は小説「向田理髪店」をまだ読んでいませんので、この機会に読んでみようと思います。どのような映画になるか楽しみです。「命スケッチ」では当塾のすぐ近くにある大牟田市動物園(通称、延命動物園)を舞台にした動物や人間ドラマが描かれており、映画のいたる場面に大牟田市の様々な風景が描かれていました。今度の映画撮影に大牟田市がどのように関わっていくか知りませんが、太牟田のPRになると思います。
私が子供だった大牟田市は人口が22万人を超える国内有数の炭都で、街中がたいへん賑やかで、子供たちの歓声が溢れていました。私が大人になるにつれて、炭鉱が無くなり、街も次第に廃れていき、現在は人口11万人をかろうじて維持する地方都市になってしまいました。昔は三池港を中心とした大きな工場群が並んで、炭鉱や港は24時間体制で石炭の積み出しを行っていました。今はその面影もなく、三川抗は炭鉱の遺構を残して静かにたたずんでいます。また三池港の周囲にはだだっ広い空き地だけが残り、当時の面影はまったくありません。以前破産を財政破綻危惧する都市として北海道の夕張、九州の大牟田と言われた時期がありましたが、どちらもかつては国内最大の炭都です。この街の昔の繁栄を知っている者として隔世の感があります。