#447 ヘアドの勧め
8月も最終週となり、2学期がすでに始まっている高校もあります。以前は9月1日が2学期の始まりでしたが、最近は様々な理由により早めに2学期が始まる傾向にあります。今日も子どもたちは今夏休みの宿題に追われていることでしょう。
さて、全国に小児ガン等の治療に特化した子ども病院があります。そこでは病気に罹っている子どもたちのために様々な便宜が整えられています。その中のひとつにヘアドネーション(ヘアド)の活動があります。ヘアドとは小児ガンの治療等で髪の毛が無くなった子どもたちのために人毛のかつら(ウィグ)を寄付しようという活動で、同じ同世代の子どもたちが自分の長い毛を切ってもらい、それを毛のない子どもにウィグをプレゼントする活動です。先日ヘアドに関する記事がありましたので、転載します。
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「髪の寄付」広まる 悩む子どもにウィッグ提供―団体「理想は活動いらない社会」
病気で頭髪が抜けるなどの悩みを抱える子どもたちに贈るウィッグ(かつら)を作るため、髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」が広がりを見せている。善意で協力する人も多いが、ウィッグの提供などを行う団体の代表は、「目指すのは活動が必要とされない社会」と語る。
ヘアドネーションは1990年代に米国で広まり、日本では2009年9月に専門のNPO法人「ジャパンヘアドネーション&チャリティー」(JHD&C、大阪市)が設立された。寄付を希望する人は、所定の条件で切った髪を同法人に送付する。一つのウィッグを作るのに30~50人分必要で、海外工場でのトリートメント処理などを経て完成品となり、希望する18歳以下の子どもたちに無償で提供される。
同法人によると、当初はほとんど知られていなかったが、15年に俳優の柴咲コウさんが長い髪を切って寄付したことで知名度が急上昇した。それまで1日に15件ほどだった寄付は、15年後半には50件ほどに増加。近年は多い時期だと約500件、平均すると300件ほど送られてくるという。
ウィッグを受け取った子どもや保護者からは「気軽に外出できるようになった」「周囲の目が気にならなくなった」などの声が寄せられているという。JHD&C代表理事の渡辺貴一さん(51)は、「困っている人にとっては救いであり、わらにもすがる思いで申し込む人もいる」と話す。
寄付が増えることに対し、渡辺さんは複雑な思いも持っているという。「ウィッグを必要とする人が減らないということは、髪のない人が『多数派』の髪がある人に合わせ続けているということだ」と指摘。「髪がある状態が普通」という社会の意識を変える必要があるとし、「髪を寄付する際は、『良いことをした』で終わらず、こうした問題にも目を向けてほしい」と話した。
(https://www.jiji.com/jc/article?k=2022082000304&g=soc)
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福岡市にも子ども病院がありますが、そこに入院している子供たちのために小学生の男児が2年近く髪を伸ばした後でヘアドするために断髪した様子がニュースで流れていました。ヘアド用の髪は30センチほどの長さにならないと利用できないのでその男児は断髪する前は女の子のような顔つきでしたが断髪後にはすっきりした男の子になっていました。
このように病気のために無毛になった子どもたちを助けるために、ヘアドに協力する人々が増えています。自分ができる範囲で他人のために何かをすることは素晴らしいことです。微力でも、他人のために役に立つ人間になりたいものです。